昨日の春祭もそうでしたが、最近、兼務神社の祭礼へ行くと、総代さん達がご用意される神饌(しんせん=お供え)の中に、天然水のペットボトルをよく見かけるようになりました。


神様にも美味しいお水を差し上げたいというお心だと思います。みなさんも、神棚へは毎日朝の一番水を神様にお供えされていると思いますが、当社でも毎朝の日供祭(にっくさい)で、お米やお神酒やお塩とともに一番水をお供えします。


水は、我々人間のみならず、地球に暮らす全ての動植物にとってなくてはならないものです。


まさに命を育む水であり、古代より自然へ感謝と畏怖の念を表してきました。


霊峰・白山は、古くから霊山信仰の聖地として仰がれてきました。麓に暮らす人々や秀麗な山容を望む平野部の人々にとって、生活に欠かせない命の水を供給してくれる神の山でもあります。


白山山系を源とする手取川(石川県)、庄川(富山県)、九頭竜川(福井県)、長良川(岐阜県)の4大河川は広大な面積を潤しています。この水は、日々の生活水から稲作など農業を支える貴重な水ともなっています。そのため、水への信仰が深まり、その源流に存在する白山への信仰が始まりました。ですから、この4県には白山神社が多く祀られています。


また、当社の兼務社には、水分(みくまり)神社や貴船神社があります。鎮座地はいづれも中山間地で、水道や灌漑用水に窮したところで、現在も市の上水道は通っておらず、簡易水道でまかなっています。ですから水の恵みを得るために先祖がこれらの神々を勧請(かんじょう)したのでしょうね。


水分神(みくまりのかみ)は、神名の通り水の分配を司る神であり、「くまり」は「配り(くばり)」の意味で、水源地や水路の分水点に祀られ、水にかかわる神なので、祈雨の神でもあります。奈良県吉野の吉野水分神社 などが知られています。


水の神といえば、京都の貴船神社 が有名です。全国に約450社ある貴船神社の総本社で旧官幣中社です。本宮の神が高龗神(たかおかみのかみ)で、奥宮が闇龗神(くらおかみのかみ)とされていますが、闇龗神と高龗神は同一の神、または、対の神とされ、その総称が龗神(おかみのかみ)であるとされています。


「オカミノカミ」は『古事記』では淤加美神、『日本書紀』では龗神と表記します。「龗(おかみ)」は「龍」の古語であり、龍は水や雨を司る神として信仰されたからです。


その他、日本における代表的な水の神としては、「オカミノカミ」とともに「ミヅハノメノカミ」があります。『古事記』では弥都波能売神、『日本書紀』には罔象女神と表記しますが、水波能売命などとも表記され、灌漑用の水の神、井戸の神としても信仰され、祈雨、止雨のご神徳があります。


この水神を祀るのが、奈良県川上村の丹生川上(にうかわかみ)神社上社 、同県東吉野村の丹生川上神社中社 、同県下市町の丹生川上神社下社 で、いづれも旧官幣大社です。


ですが、今回の東日本大震災による大津波は、世界的に見ても例のない大惨事となりました。水は尊いものですが、反面、その脅威をまざまざと見せつけられました。我々は決して、自然への畏怖を忘れてはならないという教訓なのだと思います。


また、被災地ではライフラインの復旧が急務となっていますが、やはり一番訴えられていたのは水の確保でした。


私は雨男です。女房にいつも、「何か行事がある度にあんたが出ると雨になる」と言われています。地元公民館の体育部長をしていた時の体育祭や、文化部長をしていた時の文化祭など、地域の行事の度に雨が降るので、館長さんからよく「雨降らし神主のお前のせいか?」と言われました。


そうなんです。当家は代々雨降らし神主と言われ、祖父などはよく雨乞い祈願を依頼されたそうです。当社創建の由来も、奈良時代に当地方で旱魃(かんばつ)が続き、国造(くにのみやつこ)が当社に籠もり祈願したところ、37日目の満願日に霊水がコンコンと湧き出て水の恵みを得ました。神へ感謝のため何か供えようとしても干天でめぼしい物がなく、たまたま自生していた「薑(はじかみ)=生姜」があったので、ひと盛り供えたというものです。


今日は「お水」のことを書きましたが、命の水であると同時に脅威であるということをお忘れなく…。ちなみに、私は、「水」は「水」でも、片町の「夜のお水」も大好きなのです。


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