いつもうちのニョントリがご面倒をおかけしますm(__)m
これからもどうか見捨てないでやって下さいm(__)m
ヨンベさんがよりいっそう輝ける1年になりますように。
…というわけで、
私なりのお祝いの気持ちを込めて、ジテスン小説書きました♪
ご存じない方の為にざっくり説明。
この小説では、ジヨン、スンリ、ヨンベの3人が3人でお付き合いしています。(ざっくり)
付き合い初めて2周年のお誕生日。3人の関係はどうなっているでしょうか♪
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ヨンベ」
「ヨンベヒョン」
右側からジヨンが、左側からスンリが、ヨンベの身体を抱きしめる。
「今日はヨンベヒョンの誕生日だから、ヒョンがしてほしいこと何でも言って」
ヨンベに向けてくれるスンリの笑顔は、キラキラと輝いていて眩しい。反対側を見れば、ジヨンも優しい笑みを向けてくれている。
そんな二つの宝物が、自分の手の中にある幸せを噛み締める。
この幸せを感じていられるのも、あと少しかもしれない。
そんな覚悟をしながら、ヨンベは言った。
「本当に何でもいいのか?」
「勿論。ね、ジヨンヒョン!」
「ああ」
「じゃあ、言うけど…」
ああ、嫌だ。言いたくない。だけど、これが二人の為だ。そう言い聞かせて、ヨンベは口を開く。
「俺たち、終わりにしよう」
ヨンベがそう言うと、ジヨンとスンリは、よく似た顔で、目を大きく見開いた。
「二年間、お前たちと過ごせて幸せだったよ。だけど、やっぱり3人でずっと一緒にいるなんて無理がある。お前たちは二人の方がきっと幸せでいられるよ。だから…」
それは、二年間、ずっとヨンベの心に引っ掛かっていた言葉だった。
自分は二人の幸せの邪魔をしているんじゃないか?自分がいない方が、二人は幸せなのではないか?
最近になって、そんな思いが強くなった。
きっとステージの上で、二人を見続けていたせいだと思う。
昔から、「ニョントリ」と呼ばれていた二人。こういう関係になる以前から、二人はとても、仲睦まじく見えた。喧嘩をすることも多かったけれど、それすらも愛情表現のようで、ヨンベですら、割り込めないと感じたほどだ。
それは、今でも変わらない。二人の間に、ヨンベはやはり割り込めない。
ステージの上で、ファンサービスとして見せる二人の仲むつまじい姿。あの姿が、きっと二人の自然な姿なのだと思う。
そこに、自分はいらないのだ。
「はぁーー」
ヨンベが思いを告白し終えると、ジヨンは、深く長い溜め息を吐いた。
「やっぱり、ろくなこと考えてなかった」
「えっ…?」
「スンリ」
「うわっ!」
ジヨンの指示を受けたスンリに押し倒されて、ヨンベはベッドに仰向けに押さえつけられた。
「おい、スンリ!」
スンリは少しムッとしたような顔でヨンベを見下ろしている。筋力では負けていない筈なのに、スンリは最近格闘技を学んでいるせいか、全く振りほどけない。
「様子がおかしいと思ってたんだ。女とデートしたりしてたのもそのせい?」
ジヨンはそう言って、冷たい視線をヨンベに向けた。
「デ、デートなんて…」
「してただろ?ばれてないと思った?」
「……………」
ジヨンやスンリとの関係は公に出来ないから、ヨンベは未だに周りから恋人がいないと思われている。そのせいで、女性を紹介されたり、女性から誘われたりすることも時々あった。
「俺は、お前たちしか知らないから、他に目を向けてみようと思ったことはあるけど…」
「ふーん、それで?」
「無理だったよ。俺は、やっぱり、お前たちしか見れない」
「だったら、どうして終わりにしようとか言うの!?」
スンリが叫んで、ヨンベの手首をぎゅっと掴む。その顔は、今にも泣き出してしまいそうに見えた。まるで、出会ったばかりの頃の泣き虫なマンネに戻ってしまったみたいだ。
「ヨンベ」
ジヨンが静かにヨンベの名を呼んで、ヨンベの頬をそっと撫でる。
「お前はただ、嫉妬してるだけだろ?」
「…………」
「俺がスンリと仲良くしてるのが嫌?それとも?スンリが俺と仲良くしてるのが嫌?誰かと分け合うんじゃなくて、愛しい人を独り占めにしたいって、そう思ってる?」
「………っ!」
ジヨンをスンリにとられるのが嫌だ。スンリをジヨンにとられるのが嫌だ。
ジヨンの言う通りだった。愛しい二人の心をヨンベは独り占めにしてみたい。だけど、ジヨンの一番は自分ではなくスンリで、スンリの一番は自分ではなくジヨンのような気がして、二人の前で、そんなことを気にしている自分も嫌だった。
だったら、今のうちに離れた方がいい。こんな醜いエゴを二人にぶつけて苦しめたくない。
「あのな、ヨンベ。そんなの、俺たちだって同じだよ?」
「え…」
見上げると、ジヨンは、聖母のように美しい笑みで、ヨンベを見つめてくれていた。ヨンベと視線が合うと、その笑みが、ほんの少しだけ寂しそうな笑みに変わる。
「お前がスンリのこと可愛がってるとムカつくし、スンリがお前に甘えてると悔しい。二人きりになれると嬉しくて、ずっと独り占め出来たらいいのになって思う。でも…」
そう言うとジヨンは、スンリとヨンベの間に潜り込み、ヨンベを抱きしめ、ヨンベの胸に頬を擦り寄せた。
「でも、それでも…、俺は3人がいいんだよ。3人じゃないと嫌なんだ。どうしてわかんねぇーの?」
「ジヨン…」
「お、俺だって!」
スンリも叫んで、ジヨンと同じように、ぎゅっとヨンベに抱きついた。
「ヨンベヒョンとジヨンヒョンの間には割り込めないなって思うことあるけど、でも、3人じゃなくなるなんて嫌だよ!」
「スンリ…」
二人に両側から抱きつかれて、ヨンベがどうしていいのかわからずにいると、ヨンベの胸に顔を寄せたまま、ジヨンがクスクスと笑った。
「どうせ、お前のことだから、俺とスンリがステージの上でイチャイチャしてるの見て、嫉妬したんだろ?」
「え?そうなの?」
「スンリは知らないだろ。ヨンベは照れてるだけで、本当はあんな風にお前を可愛がりたいんだ」
「ち、違っ!」
ジヨンの指摘に、頬を赤く染めると、スンリが不思議そうな顔でヨンベを見つめてきた。
「ヨンベヒョン、いつもステージの上では厳しいのに」
「照れ隠しだよ。照れ隠し」
「ち、違うって言ってるだろ!」
剥きになって否定するヨンベを見て、ジヨンがにやにやと笑う。
「わかってるよ。仲間に入りたいけど、ファンにはそういう姿、見せたくないんだろ?」
「…………っ!」
「だから、俺はスンリにしかかまわないの。別に、お前のこと除け者にしたいわけじゃねぇーよ」
「ジヨン…」
確かに、嫉妬はしていたが、ステージの上であの中に混ざれと言われても、困ってしまっただろう。まさか、ジヨンが、そんな風に気を回してくれていたとは、思っていなかった。
「ヨンベ。お前が俺たちのこと思ってくれてるように、俺たちだって、お前のこと思ってるつもりだよ。いつも、振り回して迷惑かけてる自覚だってあるし…。だから、スンリと相談して、今日くらいは、お前の我が儘をなんでも聞いてやろうって決めたんだ」
「ジヨン…」
「それなのに、終わりにしようなんて、そんな悲しいお願いするなよ」
ジヨンが、そう言って、本当に悲しそうに笑う。スンリを見ると、同じように悲しそうで、でも、力強い目でヨンベを見つめ、言ってくれた。
「ヨンベヒョン、もう一度教えて。俺たちにどうして欲しい?大好きなヒョンの為なら、俺、何だってするよ」
「スンリ」
健気に言ってくれるスンリが可愛くて、このまま強引にでも身体を繋げたくなる。そんな心情を見抜いたかのように、ジヨンが言った。
「俺、向こうに行ってようか?今日はスンリのこと独り占めにさせてやってもいいよ?それとも、先に俺とする?」
魅力的な誘いだった。思わず、欲望に負けそうになる。だけど、心を落ち着けて、冷静に考えれば、自分の望みは、そうではないと気付く。
「いい。今日は、やめとく」
「ヨンベヒョン?」
「今日は、そういうのはなしで、このまま、一晩、こうしていてくれないか」
今、この瞬間、腕の中に感じる二人の温もりが、とても心地よい。身体に感じる二人の重みが、幸せを感じさせてくれるような気がした。
「たまには、何もしないで、お前たちのことを抱きしめて眠ってみたいんだ」
「ヨンベヒョン…」
スンリの声が、少し不安げに聞こえたので、我ながら少し子供っぽい願いだっただろうかと思っていると、ジヨンが、にこっと微笑んで、ヨンベの頭をよしよしと撫でた。
「そうだよなぁ。いつも俺たちに付き合わせてるけど、ヨンベくんは、本当はまだまだお子様だもんな」
「わ、悪かったな!」
「悪くねぇーよ。…今夜はずっと、こうしていよう」
ジヨンはそう言って、再び、ヨンベの胸に頬を寄せた。そして、反対側の腕の中にいるスンリに、こう語りかける。
「スンリ、お前はもぉーっとお子様だから、我慢できないんじゃないのか?」
「へ、平気だよ!」
「そうなのか?スンリ、無理しなくていいからな。我慢は身体に悪いって言うし…」
「へ、平気だったら!」
スンリは声を張り上げ、ぎゅーっと身体をヨンベに密着させてくる。
「俺だって、ヒョンとずっとこうしていたいよ」
「スンリ…」
そう言って、身体を密着させてきたスンリの下半身が、しっかり熱くなっていることに、ヨンベはちゃんと気付いていた。
何だか悪いことを頼んでしまっただろうかと思っていると、不意に、ジヨンの優しい声が耳に届く。
「ヨンベ、生まれてきてくれてありがとう。愛してるよ」
「ジヨン…」
「ヨンベヒョン、俺も、ヨンベヒョンに出会えて良かった。もう、必要ないとか言わないで。ずっと俺たちの傍にいてね」
「スンリ…」
どうして、一瞬でも、こんな愛しい存在から、離れようとしてしまったのだろう。
(二人に出会えて良かった。好きになれて良かった。何があっても、この気持ち、忘れちゃいけないな)
2年経って忘れかけていた気持ちを思い出す。端から見ればおかしな関係でも、3人にとっては奇跡なのだ。この腕の中の奇跡を何があっても大切にしなければならない。
(生まれてきて良かった。二人を好きになって良かった)
改めて、その幸せを感じながら、二つの温もりを抱きしめて、ヨンベは、穏やかな気持ちで、眠りについた。
画像拝借致しましたm(__)m