若田光一宇宙飛行士「さいたま市帰還報告会」に行ってきた(3) | ホシボシヲミツメテル ~spoken words about a great number of tiny stars

ホシボシヲミツメテル ~spoken words about a great number of tiny stars

宇宙や天文、「星」に関するものごとやコトバを拾い集めています。

静止画での説明、動画での説明が終わると、若田光一宇宙飛行士が再度「夢、探究心、思いやり」の三つにからめて、具体的な目標に向かって努力すれば夢はかなう、どんなことでも自分から進んで聞いたり調べたりするのが探究心、これはロケット技術にもつながっていく、そして相手の立場に立ってチームワークを大事にしなければいけないと締めくくります。

そして次は質問コーナー。今回の帰還報告会申し込みの際に、「若田さんへの質問」欄があったので、それをベースに司会者が何人かの質問をピックアップ、開場に質問者がきていれば、直接質問を読んでもらうと言う形式でした。

このあたりについても、ついったーでつぶやいていたのですが、すかさず@sikano_tu さん、@nyossi さんから「煮干は?」 とか「にぼしの件」 といった依頼がw(何のことか知りたい方はこちらをどうぞ⇒ 食べるにぼしが宇宙食に: 5thstar_管理人_日記 ) ただ残念ながら質問者はすでに選ばれていたようです。ええ、さいたま市内の小学生限定でした(^^; まぁそりゃそうだよな、さいたま市民のために開かれた講演会だし。

で、司会者が名前を読み上げると、会場内で名前を呼ばれた子供が手を上げて立ち上がります。そこにスタッフがマイクを持っていく段取りだったらしいのですが、なんと若田さん本人がマイク持って子供の下まで走っていくというサプライズ。これには会場がどっと沸きます。


さて、以下質問をざっくり書いていきます。

質問:宇宙飛行士になるには小学生の頃から何をすればいい?
若田さん「まずは宇宙で何をしたいかを考える必要がある。何をしたいかが分かれば、その道で一生懸命がんばれるし、その分野で世界で誰にも負けないくらいになれば、宇宙にだって行ける」

質問:宇宙でぜひやったらいいことはなんですか?
「いろいろあるけど、やっぱりきれいな地球を見ることかな。宇宙から地球を眺めることで、環境の大事さや、かけがえのないものが実感できる」

質問:大気圏の出入り(シャトル打ち上げ、大気圏突入時)の感覚はどうだったですか?
「ものすごい振動があると思われているかもしれないけど、実際には大気圏突入高度は地上130キロくらいの高さ。このあたりだと、まだものすごく薄い大気しかない。なので、思われているようなものすごく強い振動とかはない。このときの突入の速度がマッハ25くらいなんだけど、それでも振動はない。大気が濃いあたりになると、マッハ7くらいなんだけど、そのときに振動を感じるくらい」


この辺りでステージ上の司会者から「そんなに走って息切れとか大丈夫ですか」と心配される若田さん。「今日は体力訓練していないのでちょうどいいです」と頼もしい(?)返事で質問者の下に走ります。


質問:地球に帰ってきてからも宇宙での癖とか出ませんか?
「そうだね・・・地上であることを忘れて、手に持ったコップとかを空中で手を離して、下に落としちゃったりする・・・宇宙飛行士もいたといわれてるけど、ぼくはそういうのはなかった。ただ、いすに座ってて、移動しようと思ったときに、無重力だとちょっと蹴っただけですーっと移動できるんだけど、地上だとちゃんと腰を上げて歩かないと動けないので、宇宙にいたときのように移動できればいいなと思った。あと、地上に戻ってきていすに座ってるとおしりが痛いと思ったのはあったな」


ここで司会からも質問が:宇宙食は恋しくなったりしないですか?
「確かにいろんな宇宙食があって、おいしかったけれど、やはり地上で食べる本当の和食がいいですね」


質問:天の川を見ましたか?
「見ましたよ。高い山に登ってみる天の川に近いと思うんだけど、ISSから見る天の川はほんとに明るい銀河という感じ。そして天の川を見ていると、宇宙の中には同じような銀河は1000億もあるだろうし、天の川銀河の中にもまた1000億の星があり、そういうことを想い、銀河のどこかに宇宙人もいるのかなという気持ちが沸いてきていた」


質問:地球に帰ってきてまずしたことはなんですか?
「本当はお風呂に入りたかった。だけど着陸したのはフロリダで、そこの宿泊所にはお風呂はなく、シャワーしかなかった。とりあえずシャワーは浴びたけど、そのときにシャワーの水が地面に向かって滴るのが不思議な感じに思えた」

質問:宇宙で一番困ったことはなんですか?
「たくさん困ったことはあるけど、モノがなくなったことかな。地球だと地面を見れば大抵はなくし物が見つかるのでいいけど、宇宙では四方八方さがさないといけない。また、宇宙ではよく物がなくなるんです(笑) それで、なくし物を探すとき、宇宙では熱対流がないから、自分が吐いた二酸化炭素がその場にとどまるので、常に室内は換気ファンをまわしているけど、大体ファンの辺りまで見に行くと、フィルターになくしたものが引っかかっていたりします。でもそれでもみつからないときがある」

質問:一番楽しかったこと、一番つらかったことはなんですか?
「楽しかったことはたくさんあるけど、いろんな国の宇宙食を一緒に食べることが出来たことかな。つらかったのは、運動を毎日しないといけないのがつらかった」

質問:帰ってきてから、家族になんと言いましたか?
「最初に会ったときは『ありがとう』といった。僕にも小5の息子がいて妻がいる。宇宙に行くというのはやはりまだ危ないことで、コロンビア事故で一緒に仕事していた仲間が亡くなったときはつらかった。それを僕の家族も分かっている。でも宇宙で仕事すると新しいものや得られる貴重なものがあり、それは危険を冒しても得られる価値がある。それを家族も理解してくれているので、ありがとうという言葉が出た」

最後の質問:仕事以外でなにをしましたか
「本来は土日休みだったけど、土曜日は仕事をすることが多かった。日曜日はきぼうの窓から外を眺めたり、もっていける5冊の本を読んだりしていた」

会場のあちこちを走り回って、子供たちの質問に答えた若田さんがステージ戻ってくると、次は少年時代の若田さんについて語るコーナーに。司会者があれこれ若田さんに子供のころの話を聞くという形で進行するのかとおもいきや・・・

次回に続きます(つづくんかい)