広告代理業の安定性とリスク(上) | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

広告代理業の安定性とリスク(上)

ドッグイヤーという言葉を最近聞かなくなったが、未だに続いていると思う。
ネットは変化が激しく、通常の7年分がネットの世界では1年で起きてしまうという意味であるが、これは特にネットの技術、コンテンツ、メディア、ツール等では勝者の入れ替わりが激しい。

例えば、携帯コンテンツは2000年代前半はiモードブームで、着メロや占いコンテンツの会社が何社も上場した。2000年後半からモバゲーやグリーに主力プラットフォームが移り、そこへゲームを提供する会社が何社も上場した。しかし、つい1年くらい前から更にプラットフォームはAppStoreとGooglePlayに徐々に交代しつつあり、主役はガンホー等に入れ変わる。プラットフォームが次々と移り変わり、都度コンテンツメーカーもめまぐるしく入れ替わる。

ネットメディアも同様。早くは2000年頃はポータル戦争が勃発し、ヤフー、インフォシーク、エキサイト、ライコス、MSNがTV-CMを放映ししのぎを削った。結果はヤフーの一人勝ち。SNSも2004年に日本ではMixi、米国ではfacebookが生まれたが、先行したマイスペースが抜去られ実質facebook1社のみに。このようにメディアは「winner takes it all」と言われ、勝ち残った1社が総取りというのがネットの世界では一般的。

技術も同様。数年毎に最新ツールが登場し旧来ツールベンダーは消えて行く。

そう考えると、広告代理業は持続性あるビジネスモデルと言える。
常に広告主に最新、最適なソリューション、技術、メディアを提供する中立的立場にいるため、技術革新の波に飲み込まれるリスクが少ないのである。従い、広告代理店は2000年前半から今に至るまで上位企業のポジションにほとんど変化がない。

次回は、逆に仲介業がゆえのリスクについて述べてみたい。
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