在宅療養を支援する薬剤師の育成などに取り組む日本在宅薬学会は18日、来年4月に予定される介護報酬改定に関する要望書を厚生労働省に提出した。要望書では、医師らの事前指示が必要な居宅療養管理指導について、薬剤師の判断で開始できるようにすることなどを求めている。

 薬剤師による居宅療養管理指導は、医師や歯科医師による事前指示がなければ算定できない。こうした状況について、同会では「介護スタッフやケアマネジャーから依頼があっても、医師からの最終的な指示がないため、きちんとした介入ができないケースが散見される」と指摘。薬剤師が患者の自宅を訪問し、ケアマネジャーらと協議した上で、一定の要件を満たせば居宅療養管理指導を開始できる仕組みの導入を要望した。

 また薬剤師の居宅療養管理指導は、特別養護老人ホームの入所者に対しては、算定することができない。また、対象が在宅の患者であっても、医師の訪問診療に同行した場合や、患者の状態を確認するために訪問した場合などは算定の対象にならない。この点について、同会は「現行制度の中では十分に薬剤師がその知識や技能を提供できない」とし、要件の緩和を求めた。

 さらに同会では、2014年度診療報酬改定で在宅患者訪問薬剤管理指導が変更され、薬剤師が1日に訪問できる回数が5回に限定された点を問題視。「1日の指導回数を制限することは薬剤師にとっては意味がない」と批判した上で、これを居宅療養管理指導の新たな要件にしないよう求めている。(CBニュース)