田村憲久厚生労働相は15日、今年4月に実施される消費税率引き上げを受けた介護報酬改定案を社会保障審議会(社保審)に諮問した。社保審介護給付費分科会(分科会長=田中滋・慶大大学院教授)はこの日の会合で同案を了承、田村厚労相に答申した。4月には答申を踏まえ、新たな介護報酬が施行される。


 消費税率引き上げ時の介護報酬における対応の基本方針については既に、▽基本単位数への上乗せを対応の基本とする▽基本単位数の割合で設定される加算や、福祉用具貸与にかかわる加算には上乗せ対応はしない。それ以外で課税費用の割合が大きいものについては、基本単位数への上乗せ率と同様、課税費用にかかわる上乗せ対応を行う▽施設サービスにおける基準費用額や負担限度額、特定福祉用具販売と住宅改修の支給限度基準額については、消費税率引き上げ後も、現在のまま据え置く―などが示されている。

 この基本方針と昨年末に決まった0.63%の改定率を受け、答申ではサービスごとに定められた基本報酬について明記。例えば、「通常規模の通所介護。利用者は要介護2。時間区分は7時間以上9時間未満」の場合、現在の811単位が817単位に引き上げられる。「身体介護の訪問介護。所要時間は20分以上30分未満」の場合は、254単位が255単位となる。また、ユニット型介護福祉施設サービス費(1)を算定する施設(定員31人以上)に要介護4の人が入所している場合、872単位だった1日当たりの報酬は、877単位に引き上げられる。

 また、報酬改定に合わせて引き上げられる在宅サービスの区分支給限度基準額についても示された。


■介護給付費の請求、インターネット経由も可能に

 この日の分科会では、事業者が都道府県国民健康保険団体連合会に介護給付費などを請求する際、ADSLや光ファイバーなどインターネット回線を経由して請求できるようにすることや、一定の経過措置の後には、介護給付費などの請求方法を伝送や電子媒体に原則義務化する方針が厚労省から示された。インターネット回線による請求は11月以降に可能となる見通し。
 
※サービスごとの具体的な基本報酬などをまとめた早見表は、19日(日)のCBニュースマネジメントで配信を予定しています。(CBニュース)