日本介護経営研究協会専務理事の小濱道博氏は19日、上野税理士法人主催のセミナーで講演し、社会保障審議会介護保険部会で検討されている介護保険制度改正が実現すれば、規模が小さなデイサービスの新規展開は難しくなると指摘。「今後、事業者は、通常規模のデイサービスを基盤としたビジネスモデルを構築する必要がある」と述べた。


 社会保障審議会介護保険部会では、2015年4月に予定される介護保険制度改正で、規模が小さなデイサービスを地域密着型サービスと位置付け、指定権者を都道府県から市町村に移行することが検討されている。

 小濱氏は、指定権者が市町村になった場合、新規事業所は公募制によって選ばれる可能性が高いなどの理由から、規模の小さなデイサービス事業所の新規展開は、現行制度下よりも困難になると指摘。一方、指定権者が変わらない通常規模のデイサービスは、従来通りの展開が可能なことから、「介護保険制度が変われば、間違いなくデイサービスのビジネスモデルも変わる」とした上で、通常規模や大規模のデイサービスを基盤としたビジネスモデルを構築する必要があるとした。

 さらに、既に展開している小規模のデイサービスについても、制度改正後は各市町村が定めるローカルルールの影響を受ける可能性が高いことから、「統合などによって規模を拡大し、通常規模の事業所への変更を目指すべき」と述べた。

■「混合介護」「サービスの複合的提供」を目指すべき

 また小濱氏は、各事業者は中長期的な目標として、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する「混合介護」の実現や、単一サービスにこだわらず、さまざまなサービスを複合的に提供できる体制の構築を目指す必要があると述べた。(CBニュース)