厚生労働省は14日、介護保険 で最も軽度の「要支援1、2」の人(約150万人)向けサービス(予防給付)について、市町村事業に全面移行するとしていた当初案を転換し、予防給付の中でも訪問介護(ホームヘルプ)と通所介護(デイサービス)のみ市町村事業へ移す方針を示した。一方で、訪問看護など予防給付に残すサービスと市町村に移すサービスにはそれぞれ月々の利用限度額を新設する考えを明らかにした。

 予防給付には今も月ごとの利用限度額がある。地域差はあるが、要支援1で約5万円、要支援2で約10万円など。ただし、同省は市町村事業の給付費伸び率に枠をはめて総額を管理する方針。新たな利用限度額は合算しても現行額より低くなる可能性がある。

 厚労省は予防給付に関し、2015年度から市町村が実施する「新しい総合事業」に全面移行させる方針だった。しかし「サービスに地域格差が生じる」との利用者らの懸念を踏まえ、予防給付費の約6割を占める訪問介護と通所介護を市町村事業に移す一方、訪問看護や訪問・通所リハビリ、訪問入浴、福祉用具貸与などは予防給付に残し、引き続き全国一律のサービスとすることにした。

 ただ、買い物や家事援助など利用希望の多い訪問介護は市町村の新しい総合事業に移る。(毎日新聞)