介護支援専門員の半数近くが医師との連携に不満を感じていることが、愛媛大医学部附属病院と愛媛県が行ったアンケート調査で分かった。医師への不満の理由は、連絡の取りにくさや介護保険に関する知識不足などが多かったという。

 調査は、医療と介護の連携や介護支援専門員の実態を把握し、今後の施策に反映させるのが目的で、県内の介護支援専門員421人がアンケートに答えた。

 医師との連携には、「不満」と「やや不満」が47.3%を占め、「満足」と「やや満足」の43.7%を上回った。不満の理由は、「医師との連絡が取りにくい」が最も多く、次いで「退院までの準備期間が短い」「専門用語が多く理解が困難」「サービス担当者会議の調整が難しい」など。介護保険に関する知識不足や、書類の提出遅延への不満も多かった。

 薬剤師との連携には、「不要」と「連携なし」が4割以上を占め、連携関係が構築されていない現状が浮き彫りになった。行政との連携は、「満足」「やや満足」が半数以上を占めた一方、「画一的な対応でなく現場の状況を見てほしい」「介護支援専門員などに任せきりにする姿勢が見られる」との意見もあったという。

 また、高齢者虐待に遭遇したことがあると答えた介護支援専門員が半数近くいた。県の担当者は、「県内の介護支援専門員の実態調査は初めて。現場の生の声を得られた。市町村など関係者に調査結果を示し、今後の施策に役立てていきたい」と話している。(CBニュース)