公的な介護保険を利用したことがある人の3割余りは、区分支給限度額の半分以下しかサービスを利用していないことが、明治安田生活福祉研究所の調査で分かった。その一方、4人に1人は区分支給限度額を超えてサービスを利用していることも明らかになった。

 明治安田生活福祉研究所では今年6月、家族などの介護経験がある40-70歳代の男女を対象にアンケート調査を実施。1032人から有効回答を得た。このうち、公的な介護保険の利用経験者は730人だった。

 公的な介護保険の利用経験者に、介護保険の利用状況(区分支給限度額に対するサービスの利用割合)について尋ねた質問には503人が回答。最も多かった答えは「ほぼ区分支給限度額まで利用している」の40.6%だった。以下は「4-5割」が14.9%、「8-9割」が13.3%、「6-7割」が12.3%、「2-3割」が10.1%、「1割以下」が8.7%となり、区分支給限度額の半分以下しかサービスを利用しない人が33.7%に達した。

 区分支給限度額いっぱいまでサービスを利用しない人(299人)に、その理由について尋ねた質問(複数回答)では、「限度額まで利用しなくても十分なサービスが受けられる」が36.1%で最も多かった。以下は、「できるだけ身内で介護したい」が32.8%、「もっと利用したいが、これ以上自己負担は難しい」が19.7%、「これ以上受けたいサービスがない」が19.1%、「介護を受ける人が身内以外の介護を望まない」が15.7%など。

 一方、公的な介護保険の利用経験者に、区分支給限度額を超えるサービス利用をしたことがあるかを尋ねた質問では、「ある」が25.6%、「ない」が54.5%、「わからない」が19.9%だった。

■金があれば、もっと利用したいサービスは?
 また、全回答者に、もっとお金をかけることができれば、何を利用したいか(あるいは、利用したかったか)を尋ねた質問(複数回答)では、「訪問介護など、在宅サービス」(24.9%)、「ショートステイ」(24.6%)、「有料老人ホーム」(22.3%)、「デイサービスなど」(21.6%)などが多かった。「公的介護保険以外のサービスを増やしたい」という回答は14.1%にとどまった。一方、「特にない/わからない」は33.3%だった。(CBニュース)