全国老人保健施設協会(全老健)は24日、民主党の厚生労働部門会議のヒアリングで、来年度予算の概算要求に介護職員の処遇改善の財源として2573億円を盛り込むよう要望した。また、老健施設の経営安定化のための財源として760億円を計上することも求めた。

 ヒアリング後、記者団の質問に答えた全老健の内藤圭之副会長は、「(2009年衆院選で民主党がマニフェストに掲げた介護労働者の賃金の月額4万円引き上げを実現するには)あと1万6000円分の処遇改善が必要」と指摘。そのための財源として、来年度予算の概算要求に2573億円を盛り込むよう要望したことを明らかにした。

 また、社会保障審議会介護給付費分科会で、税や社会保険料が差し引かれる前の収支差率に従って介護報酬改定の議論が進められた点を問題視。さらに「特別養護老人ホームに比べて補助金も少ない老健では、多額の借入金を支払うため、減価償却費分を返済に充てる施設も多い」として、減価償却費相当分を内部留保として確保できる措置を講じるための財源(760億円分)を確保することも求めたという。このほか全老健では、▽介護職員以外の関連職種の処遇改善のために1068億円▽東日本大震災によって被災し、休止している老健施設への補助として5億円▽被災地における医師や看護職、介護職などの確保のための財源として10.6億円-などの財源確保も要望した。

■生活不活発病予防などの財源確保を要望-リハ三協会協議会
 この日のヒアリングには、日本理学療法士協会と日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会でつくるリハビリテーション三協会協議会も参加。生活不活発病予防のための日常的な運動・生活指導支援や新人理学療法士への研修支援として、2億4827万円を概算要求に盛り込むよう要望した。(CBニュース)