4月26日に開催された第一回社会保障審議会介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会では、会の目的や概要について厚生労働省担当者から説明された後、委員間で自由な意見交換が行われた。

日本社会事業大学教授の村川浩一委員は、福祉用具について、「(今回の改定で)個別サービス計画が義務づけられたが、いまだ、極端に値段の高い福祉用具を販売している事業者があり、無視できない。まずは実態把握が必要」「介護保険サービスは高齢者の利益のためのもの。できれば定額の負担が望ましい」とコメントし、外れ値に関する調査を要求。

一方、地域ケア政策ネットワーク研究主幹の池田省三委員は、村川委員の意見に異を唱え、「介護保険で重要なことは、契約によるサービスの提供であるということ。契約という立場であれば、(事業者に対して)あまり厳しくするのは賛成できない」と述べ、福祉用具の外れ値に関しても、「メンテナンスやアドバイスなどの付加サービスが入るのであれば価格は高くなる。福祉用具は自由価格ということは残すべき」と強調した。
また、「調査すべきは外れ値ではない」とし、「ケアマネジメント、ケアマネジャーに問題がある」と指摘。「車イスの付属品を一つ斡旋しただけでも、マネジメント費が入る」「“一品のみサービス”とはどういうものか、調査すべき」と、問題は外れ値ではなく、ケアマネジメントにあるのではないかと問題提起した。

ただ、その直後に池田委員は、「改定効果の検証・研究」という同委員会の目的について触れ、「委員会の名称を考えると、淡々と検証、研究するべき場。理念を持ち込むのではなく、淡々とデータを集めて検証しましょう」と、意見のぶつかり合いを収めた。

同委員会は、今回の議論をふまえて調査を進め、来年3月をめどに会合を開き、平成24年度に実施した調査研究について報告、議論を行い、翌25年に調査内容について検討する予定だ。(ケアマネジメントオンライン)