公益社団法人日本認知症グループホーム協会は2月1日、平成24年度介護報酬改定に関する見解を示し、同協会のホームページで公表した。

それによると、同協会はかねてより「フラットな報酬体系」を堅持すべく、小宮山厚生労働大臣ならびに国会議員等への要望書の提出、厚労省所轄部署との折衝や請願署名などの活動を重ねてきた。

しかし、平成24年1月25日に開催された第88回社会保障審議会介護給付費分科会においてなされた平成24年度介護報酬改定の諮問・答申が、同協会の要望に反して「フラットな報酬体系」の見直しが行われたことで、同協会は遺憾の意を示した。

認知症グループホームは、介護保険制度開始以来、要介護度が軽度でも周辺症状や関わりによる行動上の混乱のある認知症の人に対して、小規模で家庭的な環境の下、認知症の人が有する豊かな可能性に着目し、認知症の人中心のケアを早い段階から提供することによって、その人らしい暮らしの継続を目指してきた。

認知症グループホームのフラットな報酬体系は、そうした認知症に特化したサービスとしての特徴に配慮したものとなっており、認知症のケアの中で重要な役割を果たしてきた。今回の見直しは、「認知症グループホームのフラットな報酬体系の趣旨が十分に斟酌されていないものであり、同協会としては到底納得できるものではない」と同協会は表明している。

一方で、同協会の要望を反映して、夜間の安全確保の強化、看取りの対応強化、在宅支援機能の強化の観点から、夜間ケア加算の見直し、夜勤職員の配置基準の見直し、看取り介護加算の見直し、短期利用共同生活介護・共用型認知症対応型通所介護の事業実施要件の緩和が行われたことは、一定の評価がなされている。さらに、厚労省の所管部署からは、今後の認知症ケアのあり方について、同協会とともに次期介護報酬改定に向けての検討・検証を行う旨の確約も得ている。

また、「社会保障・税一体改革成案」においては、認知症グループホームは医療・介護等サービス改革の充実項目に位置付けられ、2025年には現在の2.3倍にあたる37万人分を整備する見込みが示されている。

認知症グループホームの役割は、地域包括ケアシステムの構築の中で、今後ますます重要となってくることは間違いなく、それを支えるべく介護人材の確保と資質の向上のための処遇改善策が喫緊の課題となっている。同協会は、介護報酬改定後の状況をよく検証し、認知症グループホーム事業者が持続的かつ安定的経営を行えるような政策的支援について、引き続き厚労省老健局との意見交換を継続していくという。(ケアマネジメントオンライン)