厚生労働省老健局は23日、都道府県などの担当者を対象に「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」を開き、2012年度介護報酬改定のポイントや実務上の注意点などを説明した。この中で介護保険計画課の度山徹課長は、「消費税が5%から10%に上がったところで、できることは非常に限られているという認識を持たなければならない」と訴えた。

 また度山課長は、「既存の介護供給体制を効率化し、価値あるサービスを提供できる体制に組み替える。そのための投資を行うべき」と指摘。さらに、施設サービスを中心に介護の提供体制を考えても、増え続ける利用者を受け止めることはできないとした上で、「さまざまな政策ツールを総動員し、地域包括ケアを実現する必要がある」と述べた。第5期介護保険事業計画(12-14年度)の介護保険料については、「全国平均で5000円前後に上昇すると思われる。第4期介護保険事業計画(09-11年度)の保険料と比較して、800円から900円の大幅なアップは避けられないだろう」とした。

■被災者の利用者負担や保険料減免などを延長

 東京電力福島第一原子力発電所事故の警戒区域に住んでいた人の利用者負担や介護保険料の減免に対する財政支援については、1年間延長する方針を示した。さらに、原発事故以外の東日本大震災の被災者を対象とした利用者負担や介護保険料減免に対する財政支援についても、特別調整交付金を活用し、今年9月分まで実施すると述べた。(CBニュース)