民主党の厚生労働部門会議の下に設置された医療・介護ワーキングチーム(WT、座長=柚木道義衆院議員)は16日、同党の「社会保障と税の一体改革調査会」の総会で中間報告し、2012年度の診療報酬と介護報酬の同時改定で、プラス改定を目指すべきとの方向性を伝える方針だ。

 15日のWTの会合後、柚木氏が記者団に明らかにした。柚木氏によると、中間報告では、「同時改定」と「在宅医療の推進」の2項目に言及する予定。同時改定に関しては、業務負担の大きい医療従事者の負担軽減と、病院・病床の機能分化について、「それぞれの重点化と効率化が宿題として残っている」とし、「少なくとも、前回に引き続きプラス改定という方向感がなければ、(宿題が)進まない」とプラス改定の必要性を強調した。また在宅医療の推進に関しても、「25年度に向けた第一歩として、一定のプラス改定をベースとしなければならないという報告をしようと思う」と述べた。
 介護分野では、「とにかく介護職員処遇改善交付金がポイント」と述べ、介護報酬に組み込む場合も、「外付け」を維持する場合も、処遇改善の制度を堅持する旨を報告する予定だ。

■中間報告に向け、叩き台案を提示
 この日の会合でWTの事務局は、中間報告に向け、診療報酬と介護報酬の改定や、医療提供体制に関する取りまとめのたたき台案を提示した。

 たたき台案では、診療報酬改定の論点として、▽救急、産科、小児科、外科などの再建▽在宅医療を担う医療機関の機能強化▽在宅の歯科医療や薬剤管理の促進▽訪問看護やリハビリテーションの見直し▽看取りの場所や医療の確保▽後発医薬品の使用促進-などを提示した。介護報酬改定の論点としては、「『地域包括ケア』体制づくりの実現」を挙げた。また医療提供体制の論点には、医師不足と偏在の解消や、チーム医療と医療イノベーションの推進などを盛り込んだ。

 柚木氏はこの日の会合後、記者団に対し、WTの今後のスケジュールを明らかにした。来週のWT内の議論と部門会議への報告を経て、29日にWTとしての最終的な意見の取りまとめを目指す方針だ。(CBニュース)