中央社会保険医療協議会(中医協)の診療側委員は10月21日、社会保障審議会介護給付費分科会と共同で開いた打ち合わせで、医療と介護の連携をコーディネートする拠点を地域ごとに設置すべきだとの意見書を提出した。

 意見書では、「病状の急変時に受け入れてくれる医療機関があるのか」といった患者や利用者の不安を解消するため、医療、介護関係者が情報を共有して支援するネットワーク型の連携システムの必要性を指摘。こうした連携システムを構築するには、各地域に連携拠点を設置し人、物、組織、情報をコーディネートする役割が「決定的に重要となる」と訴えている。

 医療、介護関係者や、施設間の連携は現行の診療報酬と介護報酬でもそれぞれ評価されているが、意見書では現行の診療報酬体系について、個々の医療行為に点数を設定しており、包括的なネットワーク構築の取り組みが明確に評価される構造になっていないと指摘。自治体や地区医師会、病院、診療所のいずれかが、地域の実情に応じて拠点機能を担い、ネットワーク構築を進めるよう提案している。

 意見書は、診療側の7委員による連名。この日打ち合わせに出席した中医協の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、「連携をしっかりすることで、質の向上と効率化の両方に寄与する」とし、中医協と介護給付費分科会でそれぞれ議論するよう求めた。

 介護給付費分科会の田中滋委員(慶大大学院教授)は意見書に賛意を示し、こうしたシステムを構築・維持するには、診療報酬と介護報酬の双方で手当てする必要があると指摘した。(CBニュース)