日本慢性期医療協会(日慢協、武久洋三会長)はこのほど、「2012年度介護報酬改定への要望 介護療養病床について」を厚生労働省老健局の宮島俊彦局長にあてて提出した。要望書では、介護療養病床を存続させることや、現行の介護報酬を引き下げないことなど計20項目を求めている。

 介護療養病床をめぐっては、今年6月に改正介護保険法などと共に成立した改正健康保険法によって、廃止期限が今年度末から17年度末に6年間延長された。厚労省は現在ある約8万床の転換を促進するため、追加的な支援策を講じる方針を示している。

 これに対し日慢協の要望書では、介護療養病床には、要介護度や「認知症高齢者の日常生活自立度」が共に高い上、医療の必要性も高い患者が数多く入院していると指摘。さらに、合併症がある認知症患者の受け皿となっている介護療養病床がなくなれば、「高齢者が安心して療養生活を送る場所の確保ができなくなる」として、廃止の撤回を強く求めている。

 このほか、介護療養病床の役割をより明確にし、その機能を十分に発揮させるため、12年度介護報酬改定に関して、▽現行の介護報酬を引き下げない▽要介護度4、5への評価を上げる▽地域区分ごとの報酬単価は現状を維持する▽平均在院日数の短縮への評価を行う▽在宅復帰率への評価を充実させる▽医療必要度が高い患者には重度加算で評価を行う―なども要望している。(CBニュース)