石川県金沢市の畳店が、水や汚れをはじき、簡単に拭き取れる畳を販売した。開発したのは西田畳店。同社の畳職人で畳製作技能士1級の資格を持つ西田真太郎氏は、熱帯魚のレンタル店を訪れた際、水槽の汚れを付着しにくくするコーティング剤の存在を知り、畳への応用を思いついたという。

開発当初は、コーティング剤を畳に塗布すると硬い面材に液体を塗るため、乾燥後にひび割れが出るなどしたが、その後、コーティング剤メーカーと共同で液体を改良するなど試行錯誤を重ね、自宅での約半年の試用を経て商品化に踏み切った。

価格は、新しく畳を購入する場合は、1畳あたり4,200円。既存の畳に塗布するだけの場合は、1畳あたり5,000円。

高齢者になじみのある畳は、水や汚れが生じたときの手入れが負担となっていた。簡単に液体を拭き取れる畳の販売後、老人ホームや医療機関などの施設から問い合わせがあるという。また、施設以外にも在宅介護を行う一般家庭向けに、今後の需要を見込んでいる。