会社法339条2項による、解任された取締役からの損害賠償請求 | 鹿児島でがんばる司法書士・社会保険労務士・土地家屋調査士・行政書士日記

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高校教師を目指すも一転、人生の天職として、鹿児島で司法書士・行政書士事務所を開業しました。

平成28年から、土地家屋調査士の業務を開始致しました。

令和3年から、社会保険労務士の業務を開始致しました。

鹿児島の司法書士・行政書士の竹之下です。



株式会社は、いつでも取締役を解任できます。


ただし、解任に正当な理由がない場合、解任された

取締役は、会社に対して損害倍諸請求ができます。


そして、この損害の額というのは、基本的に任期満了

までの役員報酬や退職慰労金と同額となります。



それでは、取締役に任期の定めのない特例有限会社

の場合はどうなるのでしょうか。


任期が無いということで、永年分の役員報酬が損害として

認められるのでしょうか。


これに関しては、下級審の判例があります。


それによると、「会社法339条2項は、具体的な任期があることを

損害賠償請求権発生の前提としていると解するのが相当である」

と示しています。



つまり、取締役に任期の定めのない特例有限会社においては、

取締役の解任に正当な理由がなくても、解任された取締役からの

損害賠償請求は認められないということになります。



ですから、株式会社で取締役を複数置く場合には、解任された取締役からの

損害賠償請求を避けるために、取締役の任期を短くしておく方が得策という

ことですね。


共同経営の難しさはこのようなところにあります。