笑顔の天然資源国 ベネズエラ | 地球一蹴、ちゃりんこ世界一周の旅 ー Rio Cycling Around The Earth

地球一蹴、ちゃりんこ世界一周の旅 ー Rio Cycling Around The Earth

2007年3月9日より 約9年をかけて157ヶ国155,502kmを走る。
I am traveling around the world, over 157 countries on a bicycle from 2007 to 2016.

★Around The World : 3,284 days                

☆155 countries : in Merida, Venezuera.     

★Distance : 1755 km(Total Distance 153,825 km) 

 

 

I am in Merida, Venezuela.
I know how far going.
My last countries, 155th, Venezuela.
So wonderful country.
Only one country.
There are many beautiful place.
I guess it is really different from other country.
And so on, people is quite friendly.
They have heartful soul.
I love Venezuela.
I really appreciate you and you...
Muchas gracias!
Hasta pronto!

 

 

みなさま、ご無沙汰してます。
日本は酷暑かと思いきや梅雨が長引いたり、凶悪犯罪が起こったりと、異国にいながらもひどく心配をしております。
私は最後の訪問国となったベネズエラにいます。
現在のベネズエラは経済状況、治安状況、過去最悪と言っても過言ではありません。
入国するにあたって、知人友人等に情報を求めましたが、原因のわからない恐怖を人々が抱いているようにしか感じられませんでした。
最後の訪問国であり、あえて危険を犯す必要はないのかと思い、入国するのを何度もためらいました。
しかし今までも、テロや内乱の状況以外は走る選択をしてきました。
それは突発的なものではなく、その国が抱える持病が病魔となってじわりと滲み出るものである以上、その国は今も昔も変わらないという結論からです。
入国を決めた以上は、危険を回避する手段、情報を最高の状態で保持していきました。
入国後、今のベネズエラの現状がみえてきました。
地域によってだいぶ格差があります。
自転車旅でつぶさに見れたことで感じられました。
それは絶対的な信用不安だけではありません。

 

①世界的な原油安による如実な国益減。
②アメリカとキューバの国交回復による反社会主義的思想からの他国からの国交疎遠。
③ブラジル大統領更迭により、ベネズエラへの直接物資の停止。
④チャベス政権後のマドューロ政権による搾取圧政。

 

米、パスタ、砂糖、ミルク、石油製品によるトイレットペーパー等の資源が急速に減少。
ハイパーインフレを起こし、物価は2年前の10〜25倍に膨れ上がった。
パンを買うのに開店前から行列が起き、それでも買えればまだマシ。
パンの代わりに空虚を握りしめた拳からは血が滴るとも、腹をすかせた家族のもとに帰らなければならない。
そこに追い打ちをかけるような軍事政権からかかる重税。
ビール業者は然り、コーヒー農家や酪農家は生産すればするほど赤字になり、ついには工場閉鎖や業務停止に追い込まれました。
次々と国外に逃げていく国民。
逃げるだけの体力と財力のあるものはいい。
ただただ希望を失って疲弊しきった国民の腕には、突き上げる力もありません。
彼らのか細き声は誰に届くのでしょうか。
皮肉にもやせ細った彼らの想いだけは重くなっていくばかり。
文字通り、町からは外灯強盗の手によって光も消え、食糧輸送車をハイジャックする輩も現れ、まだ陽が残る夕方ですら、太陽より早く人が町から消える。
かつて南米一の国力を誇っていた国の勃興と没落。
アフリカのように最初から物がない状況とは明らかに違いました。
一度上げてしまった生活レベルを下げるのは非常に難しい。
トイレに使用していたペーパーが新聞紙となり、水となり、最後には放置するしかない状況になったとき、人々は人としての誇りを保てるのでしょうか。
これは他国のことではない。
今後の日本、いや世界の先進国の迎える行先を、ベネズエラに縮図となって現れていると言っても過言ではありません。
今の時代に一番ふさわしくない言葉、それは「まさか」かもしれません。
フランス、イギリス、トルコにバングラデシュ、どこにいても何が起こってもおかしくない状況は、テロに限ったことではないと思います。
神はときに非情です。
石油という金のなる木はエデンの園のリンゴの木、そのものです。
社会主義の中では「人の仕事を手伝う」ことですら悪であるのです。
ときに他人の死に様に喜ばなければならない状況すらある。

最後の最後の訪問国として、凄まじい状況を感じることができました。
しかし、漫画の『北斗の拳』のような世紀末のような状況でも、人々の優しさとプライドは残っていました。
彼らの欲しいものは湯水のように湧き出る豊穣な幸福ではなく、些細でもいいから続く恒久的な幸福。

「飢えを経て植えを得る」
彼らは本当の意味では希望を捨てていない。
どんなに食糧がなくても、子供を餓死させてはならない。
子供の存在はそのまま希望なのだから。
実りの穂のため種を蒔く。

 

世界を155カ国周った国の中で、もしかしたら一番親切にして頂いた国かもしれない。
軍人だろうと、警察だろうと農家だろうと、酔っぱらいだろうと。

 

笑顔の天然資源国 ベネズエラ。

 

「もしかしたら僕の旅は彼らの犠牲の上に成り立っているのではないだろうか?この今いる道の上で僕が空を見あげられているのは、彼らの血と汗が染みこんだ道の上だからではないのか。」

 

彼らの血管の浮き出た細い腕から渡される温かいスープを飲みながら、僕は自分の存在意義を教えられた。

 

 

「僕の夢もね、いつかあなたみたいにどこか別の国を旅してみたいんだ。僕の国でもそういうことしてもいいんだよね?」

 

「俺たちの国に旅人が来るってことは、俺たちはまだ見捨てられてないってことだろう?」

 

「若い時に好きになった人が、あなたみたいな素敵な笑顔をしてたのよ。ちょっとだけ昔を思い出しちゃってね、なんか嬉しくなっちゃった。」

 

僕は非力ではあるが、決して無力ではない。
偽善者代表でも、ハスラーでも構わない。
結果、誰かのこころの火が少しでもついて、一瞬でも、幸せを感じられたのなら。
「応援してます」「祈っています」
いつかの僕はこれらの言葉をなんて無責任な言葉なんだろうと思っていた時があった。
受け取る側の心の卑小さがそれらをそうせしめたんだ。
僕は言い続ける。
「あなたたちの幸せを祈っています!ずっとずっと!僕はあなたを見捨てない。あなたたちと共にある。」

 

現在はベネズエラの西部のギアナ高地、大サバンナ、中部の熱帯のジャングルを抜け、東部の南米の端から端までかかるアンデス山脈の北部にいます。
ベネズエラの走行はまだ続きます。
標高150m〜3600mまで上ったと思えば、再び100mくらいまでに下り、アップダウンを続けながらコロンビア側のアンデスの山々を走ります。
予定では8月中旬にコロンビアからゴールのアメリカに飛び、ニューヨークを目指します。
最後まで気を抜かず、安全運転をして日本に帰国したいと思います。
うさぎにつの。
つきからきっと見守ってくれているはず。

 

 

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