しばらくクルマネタが続きましたので、
箸休めです。

食器のお話しです。

先日、ウニモグを2台お持ちの方を訪問させていただいた折りに
見せていただきました。

第二次大戦中のイタリア軍で使われていた、
将校用の食器セットです。


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

木製の箱に一式収まっています。一人では腰を痛めそうな重さです。

木箱というよりは、トランクケースと言った方が感じとしては合っています。
ハンドルが付き、蝶番(ちょうつがい)もあり、内部に金属で補強もされています。

これより、箱の中に入っているものをご紹介します。

まずは、アルミのパイプ。

これ、何だと思います?

これは、テーブルの脚となります。4本入っています。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

食器セットの箱を開けると、内側の4隅に金具が付いており、
その金具にこのアルミパイプを差し込むと、
あっという間にちょっとしたテーブルが出来上がります。
ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器



ではいよいよ、食器類をご紹介します。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器


まずは、フライパン。
ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器


アルミ製のものと、ステンレス製らしきもの。
ステンレス製の薄いものは、トーストを作るのに丁度よさそう。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

このボトル、外側はアルミ製ですが、内部はガラスです。

どうやって作ったんでしょうか?

1.アルミのボトルを回転させながら、内部にガラスを流し込んだ。

2.ガラスのビンの周りに、アルミをヘラ絞りで巻き付けた。

いずれにせよ、アルミはキッチリ、キレイにガラスに密着している
ようなので、高い技術です。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器



ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

両手で持っているのは、アルミ製で、真ん中のくびれはネジになっています。

これ、ゆで卵スタンド。


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

そしてこれは、チーズおろしです!


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

アルミ製の茶筒のような容器。
コショウのようなものを入れるのでしょうか。



ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

薄いアルミの箱に入っているのは、カトラリー。
ナイフ、フォーク、スプーン。

ワインのコルク抜きもあります。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-イタリアの将校用食器

戦地の天幕の中で使われたのでしょうか。

造りはかなり良いものです。

軍の中の、ごく限られた幹部が使ったものなのでしょう。

ちなみに、今回見せてもらったのは、未使用の新品です。

この持ち主の方がおっしゃるには、

一度でいいから、キャンプで料理人を頼んで、
これを使って食事をしてみたい、とのことです。

まったく同感です。

で、1度でたくさん(笑)。


本日はゲレンデワーゲンのスロットルペダルについてご報告します。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル

運転席足元にあるペダル2つ。横に四角いのがブレーキペダル。
その右の縦長のペダルがスロットルペダル。

ペダルの下が床にくっついています。これを「オルガン式」ペダルと言います。


ちなみに、その左のペダルのように上からつり下がっているのを「つり下げ式」ペダルと言います。


スロットルペダルというのは、「アクセルペダル」とも言います。

徳大寺有恒先生はしばしば「ガスペダル」と表現されています。
ガソリンを供給するペダルなので、アメリカ等ではそのように表現されているようです。
ここでは「スロットルペダル」と表現させていただきます。

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さて、ゲレンデワーゲンのスロットルペダルは、

  ・ストロークが長く、

  ・踏むのが重い

というふうに自動車評論家のレポートでは表現されています。

そしてその理由は、軍隊の兵隊さんが重たい頑丈な靴を履いて運転しても
踏み応えがあるようにと、好意的に評価されています。

まったくその通りだと思います。

そして、ペダルを踏むと、その動きはどういうふうにエンジンに伝わるかと
言いますと、単純な1本のワイヤーではなく、
鉄の棒(ロッド)が何本も使われて中継され、エンジンルーム内で回転運動に変換され、
部分的にワイヤーも使われ、ようやくエンジンの燃料供給量を調整する部分へと
伝わります。

ものすごく複雑。

複雑怪奇。

なぜこのように複雑になっているかという理由もまた、

ゲレンデワーゲンの記事を読むと

・悪路での凸凹でエンジンの回転が変動するのを防ぐため

・ワイヤーだと凍結して動かなくなる恐れがあるため、誤作動を防ぐために
 ロッドを使用している

等と好意的に書かれています。

ところが、です。


私が運転中に、アクセルペダルが戻らない事がありました。

ちょうど家の前に乗り付けた時だったので、家にぶつかるかと
慌てましたが、オートマのシフターを「N」(ニュートラル)にして
ブレーキを踏んだのでゲレンデワーゲンは止まりました。

エンジンはゴーと回転が上がったままです。

このとき、とっさの反応として、
スロットルペダルの下につま先を突っ込んで
ペダルを持ち上げるのですが、
オルガン式の場合は、そういうことができません。
たいへんやりにくいのです。

とりあえずエンジンを止めて、
ペダルをよくよく観察して見ました。

スロットルペダルを手で持ち上げると、ペロンッと手前に倒れます。

で、ペダルの下端にある留め具を外すと、ペダルが床から離れます。


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル

ペダルが床から分離した瞬間。

スロットルペダルの下端はこのようになっています。

踏んだり離したりする度に、下端の薄くなっている部分が折り曲げられるのですが、
ちぎれないようです。長持ちするもんです。驚きです。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル

そして、これがスロットルペダルを動かしている鉄のロッド(棒)です。

右がスロットルペダルの裏側。裏側に付いているモノ
に鉄のロッドが刺さっている。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル


鉄のロッドが刺さっている部分の拡大写真。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル


スロットルペダルはプラスチックとゴムの2つの部品に分かれます。

軍用に使われているのだから鉄かと思ったらそうではなかった。

鉄のペダルだと冬場、足が凍傷するから、という配慮でしょうか。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル


スロットルペダルを取り外した状態。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル

この状態で踏めばエンジン回転が上がり、
万が一回転が上がりっぱなしでも、つま先を下に差し入れて
上にクイッと持ち上げれば回転が下がります。

これはあくまでも私見ですが、
ゲレンデワーゲンの開発中はこの状態で運行していたのではないでしょうか。

そして、踏む力が要るという「重いペダル」も、
こうして鉄の棒だけにしてみると、実に軽く
踏み込めるではありませんか! (笑)

悪路を走る場合は、靴底がシッカリしたものを履きますので、
このような棒1本だけでも何ら問題ない。

むしろ、とっさの時につま先で持ち上げられる構造のほうが
実用的、実践的です。

この状態ならばスロットルのリンケージが凍り付いても、
油脂が切れて動きが渋くなっても、つま先で強制的に戻せますから。

スロットルペダルがないこの状態の方が、心理的にも現実的にも
安心です。

これはゲレンデワーゲンと共に生きてきて、最大の発見でした。

そうは思いつつ、とはいえ、先日見学したドイツのキュベルワーゲンも、
シュビムワーゲンも、スロットルペダルはオルガン式でした。

軽量化を旨とするシュビムワーゲンでさえ、
頑な(かたくな)にオルガン式ペダルを使用しているのは、
そうでなければならない何らかの理由があるのでしょう。

兄は、オルガン式ペダルの方がアクセルの微調整がしやすい、と言います。

たしかに。

それはある。




ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲンのスロットルペダル

スロットルペダルの下に付いているスイッチは、
オートマチックトランスミッションと連動してキックダウンをするためのもの。


キックダウンというのは、スロットルペダルをベタ踏みすると、
「ご主人様は急いでいるんだな、ギアを一つ落としてエンジン回転を上げて
加速しますよ、旦那」
というふうに、オートマチックトランスミッションが反応する、
そんな仕掛けです。


先日拝見させていただいたオープンのハマーが良い感じだったので、

ゲレンデワーゲンもドアを外して軽快にしようと思いました。

レンジローバーのドアは、外したことのある方はご存じの通り、
ペンチでC型クリップを取り外してドアを持ち上げると外れます。

ゲレンデワーゲンはそのような構造になっていないので、
ドアヒンジ(ちょうつがい)の取り付けねじを緩めることになります。

・・・・・・・・・

・・・・

ところが、です。

何本か緩めたのですが、途中から、いくら回しても緩まないのです。

これは変だぞと思いました。

どうやら、裏側にあるナットが回っているようなのです。

ゲレンデワーゲンの構造上、見えているボルトは回せますが、
向こう側にあるナットは見えません。手が届きません。

それでもボルトを締められるのは、向こう側のナットが板に溶接されていて、
回らないようになっている、そんな構造だからです。

ところが。

私が緩めたボルトのうちの何本かは、ナットの溶接が剥がれてしまったようなのです。

これはまいった。

困った。


けっきょく、ドアを外すことはできませんでした。


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲン


ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲン

上のドアヒンジ。右上のボルト1本だけは外れた。
ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲン


下のドアヒンジ。左下のボルトは外れた。
左上のボルトは、途中から緩まなくなった。
ボディピラーの内側に手が届かないので、ナットを固定できない。

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲン ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-ゲレンデワーゲン


これからどうすればいいのだろう。

ボディに「点検口」を作ることになるのだろう。


そんなこんなでも、明日も空がある。
(きっと)

ゲレンデワーゲン300GDと共に生きる-空