大塚家具の争族回避策?あは、無理、無理 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

非公開会社で創業者の企業統治能力がしっかりしていて、しかも事業承継者との関係が良好な場合は、争族を回避するための知恵を出せないでもないが、創業者の意思がぐらぐらしており、企業統治能力にも疑問符が付くような状態になっていたのでは、どんな知恵も大して役に立たない。

一般社団法人と信託の組み合わせで事業承継を円滑に実行し、かつ争族を回避する方策は、あくまで完全な閉鎖型同族会社で、しかも資産と人的資源がタップリある企業に限定した話だ。

それこそ公認会計士や税理士、様々な事業承継コンサルタント、金融機関などが競い合って知恵を出している分野なので、私の話はあくまで考えるヒント程度のものである。

大塚家具のプロキシーファイトが昨日決着を見たが、今のままの状態で大塚家具の争族回避策を部外者である私どもがあれこれ云々しても何の足しにもならない。

まあ、お気の毒様、という一言だ。

ただし、大塚家具のケースでよかったのは、株主総会という決選の場を活用して一連の紛争の決着を図ったことだ。
血で血を洗うような血みどろの戦いにならないで済んだ。
お互いの足を引っ張り合うような泥沼の戦いにならないで済んだ。

プロレスのような戦いぶりで、一見血が流れるかと見えたが、お互いにルールを心得ていた。
戦いは戦いだが、まあ、一種のショーである。
終わってしまえば、次の試合が始まるまでは何もない。
多少の訴訟沙汰ぐらいは残るだろうが、これは代理人に任せておけばいい。
いずれは決着が付く。

親子の間の間の紛争は、いずれは時が解決する。
10年ぐらいは続いても、20年は続かない。
長生きしたものの勝ちだ、ということは誰にでも分かる道理だ。

兄弟姉妹の間の紛争は、結局は実際に事業運営を担当している者の勝ちである。
本当に争ってしまえば誰かに憾みが残るだろうが、多少の工夫で深刻な争いになることを回避できることがある。

話の分かる人が間に入れば、何とか解決するものだ。

プロキシーファイトは、結構素晴らしい。
陰湿ないじめや足の引っ張り合いをしないで、どうやって第三者の株主を味方に引き入れるか、ということにのみ知恵を絞って、互いに堂々と戦ったのだから、これはいい。

うん、その場限りの嘘が罷り通ったり、マスコミが作り上げる虚像に左右されて大きく結果が左右される選挙よりも、こっちの方がいい。