不戦の誓いをしないで、靖国参拝で何を祈ろうというのか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

自民党に苦言を呈しておきたい。

自民党の2014年運動方針の中で靖国参拝の記述から「不戦の誓いと平和国家の理念を貫くことを決意し」という文言を削除することにしたという。
鈍感な人たちである。

現在わが国にとって最もセンシティブな外交問題が靖国問題であるという認識が欠如しているようである。
安倍総理の靖国参拝は、不戦の誓いを新たにするための参拝だったから中国や韓国が何と批判しようと、その批判を受け流すことが出来た。

しかし、靖国参拝から不戦の誓いを外してしまえば、うっかりすると必勝祈願になってしまいかねない。

貴方達の尊い犠牲を無駄にはしません。
今度は勝ちます、などという祈りを捧げられたら、靖国に眠っている英霊もさぞ迷惑だろう。

運動方針案の前文に「平和の維持こそわが国の繁栄の基礎」などという文言を入れたから済むなどという軽い問題ではない。
平和を維持するために、集団的自衛権を容認し、国家安全保障法制を整備し、さらには武装を強化して強い国家、負けない国家を造ろうとするのだろうと受け取られたら、それこそ日本は軍事国家、重武装国家への道を歩み出す決意を固めたと見做されることになってしまう。

そういう狙い、思惑を持っている人もいるだろうが、自民党の国会議員の大多数はそこまでの覚悟、そこまでの自覚は持っていないはずだ。

不戦の誓いの文言を外すか否かは、自民党の路線を決定する一大事のはずである。
どうやら党内でさしたる議論も巻き起こらないまま、自民党の総務会限りで運動方針案原案の修正がなされたようだが、多分、これが自民党の躓きの石になる。
自民党には真正保守の人やリベラル色の強い人など色々な人がいて、全体としてバランスのとれた穏健保守の政党だったはずなのに、段々リベラル色の強い国会議員の発言力が低下して、勇ましいラッパを吹く真正保守の人たちの声が大きくなっている、という証左だと思う。

実に危うい。
2014年の自民党は、実に危うい。

参考:毎日新聞配信記事

<自民党>運動方針案「不戦の誓い」削除…靖国参拝の表現
毎日新聞 1月8日(水)20時57分配信

自民党は8日、2014年運動方針案を発表した。靖国神社参拝に関し、原案にあった「不戦の誓いと平和国家の理念を貫くことを決意し」との表現を削除し「(戦没者に対する)尊崇の念を高め」との文言を追加した。

7日の党総務会で原案に対し「靖国神社は犠牲になった方に尊崇の念をささげるために作られた。不戦の誓いと混ぜないほうがいい」との意見が出ていた。

不戦の誓いを削除したことについて、竹下亘組織運動本部長は記者会見で「前文に(入れた)」と説明。ただ、前文は「平和の維持こそわが国の繁栄の基礎」との表現で、「不戦の誓い」という言葉はない。

安倍晋三首相(党総裁)は昨年12月の参拝後に「二度と戦争の惨禍によって人々の苦しむことのない時代をつくる。その決意を込めて不戦の誓いをした」と説明。自民党の13年運動方針も「参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に哀悼の誠をささげ、不戦の誓いと恒久平和の決意を新たにする」との表現で「不戦の誓い」を盛り込んでおり、整合性が問われそうだ。

最終案は「参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に対する尊崇の念を高め、感謝の誠をささげ、恒久平和への決意を新たにする」との表現になった。19日の党大会で正式決定する。【高橋恵子】

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