手探りの中でも決断をしなければならない時があるということー福田元総理の正直な証言 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

モヤモヤしていたものがこれでなくなった。
多分そうだろうと思ってはいたが、関係者が皆口を噤んでいたから、そうだと断言できなかったが、この一言で胸のつかえが下りた。

今朝の朝日の福田康夫元総理に対するインタビュー記事は出色である。

北朝鮮の金正日総書記がが日本人拉致を認めた時と同じような感覚を味わっている。
爽快感という言葉はこういう場合には当て嵌まらず、適当ではないから、ここは積年の宿便が解消した、とでも表現しておこう。

官邸は孤独だ、という話を福田氏から直接聞いたことがある。

官邸には政治家は殆どいないんですよ。
如何にも人が大勢いるようでいて、相談できるような頼りにできる人はいない。
政治的な決断をする時に、必要な人がいない。
孤独だ、ということだ。

情報も入らないようだ。

目が見えず耳も聞こえない状態の中で大事の決断を迫られるから官邸は孤独だ、ということである。

いわば手探りの中で情勢判断し、大事を決断する。
そういう大きな責任を担っているのが総理大臣であり、官房長官だということだ。

闇夜の中で右へ行くか左へ行くかを決めなければならないといった岐路に差し掛かったようなものだ。
先に何が待っているかが分からない。
どっちを選んでも同じところに出るのかも知れないし、どっちを選んでも崖にぶち当たるのかも知れない。

いずれにしても、崖っぷちを歩むような危うさがある。
それでも前へ進むしかない。

こういう時に、どの道を選ぶか。

エイヤッで決めざるを得ないのだろう。
「本当のところは分からないが、直観で選んだ。総理の政治責任で道を選んだ。」ということだろう。

こういうことは外にはなかなか現れないものだ。
しかし、本当のことがいつまでもベールに包まれたままでは私たちは過去に学ぶことが出来ない。

アメリカがイラク攻撃を始めた日から今日が丁度10年目(訂正)に当たるという。
それに相応しい朝日の単独インタビューである。

これは、スクープの名に値する記事だと思うが、如何だろうか。


以下、朝日新聞の3月20日付けデジタル記事から引用

「イラク戦争開戦当時、官房長官だった福田康夫元首相が朝日新聞のインタビューに応じ、小泉純一郎首相の開戦支持表明の直前、英国からブレア首相の議会演説に先駆けて支持を打ち出してほしいと打診されていたことを明らかにした。「イラクに大量破壊兵器(WMD)がある前提」で支持した日本だが、判断材料を得ようにも「手も足もないという感じがした」と日本独自の情報入手ができなかったと率直に認めた。

2003年3月20日の米英軍の先制攻撃を前に、当時のブッシュ米大統領が18日(日本時間)にイラクへの最後通告演説をした。福田氏によると、その頃に英国外交筋が福田氏に「ブレア首相がこの問題で議会演説をする。日本がその前に英米への支持を表明してほしい」と要請してきた。

福田氏は「小泉首相はもうじき(記者団に)ぶら下がりをする。それを見て判断を」と返答したが、「開戦の判断で英国も(世論の反発で)相当困っていた」との印象を受けたという。結局、小泉氏は直後に「米英が武力行使に踏み切った場合、支持する」とイラク攻撃支持を打ち出した。」