警察が上申書の下書きを書いて、参考人や被疑者に上申書を書き写すよう求めていたはず | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ようやく、一部の警察で行われていた違法不当な取調べの一端が明るみに出た。

犯人に間違えられて逮捕された大学生には本当に気の毒だったが、この際大学生には神奈川県警における取調べがどんなものであったか、本当のことを語っていただきたい。

横浜市のホームページに市内の小学校に対する襲撃予告が書き込まれた威力業務妨害容疑事件で大学生を逮捕した神奈川県警の捜査は明らかに違法である。
神奈川県警は、捜査手法に問題はなかったと強弁しているが、そんなことはない。
当初否認していた無実の大学生がやってもいないことを自白するようになるには、それ相応の理由がある。
取調官が自白を強要しなければ、やってもいない人がやりました、などと罪を認めるはずがない。

さすがに暴力の行使はないだろうが、虚偽の自白に大学生を誘うような「言葉の暴力」はあったはずだ。

少なくとも大学生は、認めないと大変なことになる、と信じ込まされたはずである。

取調官がどんなテクニックを使って大学生を虚偽自白に追い込んだか、ということを是非とも徹底的に明るみに出して欲しい。
何故この大学生がやってもいない事件について犯行を認めるような上申書を書いたのか、ということについて、本当のことを明るみに出して欲しい。

ああ、これは警察官が上申書の下書きを書いて、このとおりに書けと誘導したな。
そう、思っている。

犯行を認めないと自分や自分の家族・友人にどんな不利益が及ぶかも知れないと思わせないと、やってもいないことや自分が知らないことを上申書に書くはずがない。

取調官が、自分で作った上申書の下書きを示して、「このとおりに上申書に書け。書いたら早く釈放になる。書かないと、釈放されないし、裁判になる。書かないと家族も学校の友達も調べられることになる。この程度のことなら大したことにはならないから書けるだろう。どっちを選ぶか、自分でよく考えろ。」などと誘導したはずである。

私自身もかつて経験したことだから、警察がこの事件でどんな取調べをしたのか、大体見当がついている。

参考:朝日新聞デジタル記事

「早く認めた方が有利」 誤認逮捕の学生に神奈川県警
朝日新聞デジタル 10月20日(土)8時1分配信

「横浜市のホームページに市内の小学校に対する襲撃予告が書き込まれた威力業務妨害容疑事件で、神奈川県警の捜査員が、容疑を否認していた東京の大学生(19)に対し、「名前が公に出る心配はない」「早く認めたほうが有利だ」といった趣旨の発言で、自供を促していた疑いがあることが警察当局などへの取材でわかった。

■上申書作成、誘導か

取り調べの過程では、犯人と捜査当局しか知り得ない内容が含まれた上申書を大学生が出していたことも判明。警察当局は大学生が認めた経緯や上申書の作成に誘導があった可能性が高いとみて検証を進める。
警察庁は大学生の逮捕は誤認だったと判断し、大学生に謝罪する方針を決めている。一方、神奈川県警は、取り調べ中の捜査員の発言について調査中だが、現段階では「誘導は確認されていない」としている。上申書についても「大学生が書いた」として、捜査手法に問題はなかったとの立場を変えていない。

捜査関係者によると、この事件で県警は、IPアドレスから大学生のパソコンが発信元と特定。捜査員が任意同行を求めると、大学生は「全く知らない」と容疑を否認した。捜査員は任意の調べの中で「君は未成年で名前が(公に)出る心配はない」「早く認めれば処分も有利になる」といった趣旨の発言をしたという。」