スポットライトの当て方で違って見えることがある | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

スポットライトの当て方ひとつで物の見え方が大きく変わることがある。

小沢裁判についてのマスコミ報道やインターネットを通じて流布されている様々な識者の意見を読んでみればよくお分かりになるだろう。

私は、基本的に大手新聞社の報道を前提に物事の推移を判断し、その後の展開を占うが、万一大手新聞社の報道が間違っていると私も間違う。

自分自身が体験していることなら真実がどのあたりにあるか大体見当がつくが、99%は知らないことばかり。
騙されまいぞ、と思って複数の新聞に目を通し、さらにインターネットで多少の情報検索もしてみるが、しかし本当のことは分からないことが多い。

マスコミが間違った報道をすることがあるのは、私自身の経験で分かっている。
だから、軽々に物事を極め付けるような物言いはなるべくしないようにしている。
皆さんにも是非ご理解いただきたいところである。

事実は小説よりも奇なり。

私の、「法務大臣政務官辞めるの止めた事件」などは、何のニュース価値もないことなのに、マスコミが大騒ぎしてトップ記事の扱いにしたようだ。
あれは私からすれば完全に誤報の類。

法務大臣政務官として自分に与えられた職責を果たしたら早く党務に戻りたい、とブログに書いただけなのに、直ちに政務官を辞めるかのように報道されたのである。
内閣府の記者綺羅部の記者が私のブログを読んで大騒ぎのきっかけを作ったようだ。
よっぽど新聞のネタがなかったのだろう。
官邸や法務省にマスコミの問い合わせが殺到し、法務省で記者懇談会を開くことになった。
私から、「予算関連法案が成立して自分に与えられた仕事が終わってから辞めたいということで今直ちに辞めることではない」と説明したのだが、これがまたまた「法務大臣政務官、辞任表明」と受け止められた。

それこそ本当にすぐにでも辞表でも書かないと収まらないような状況を作られてしまったのである。

当時は、凶悪重大な犯罪についての公訴時効の問題について法務省の勉強会を始めたばかりで、私がそのワーキンググループの座長を務めていた。
とても途中でこの大事な仕事を放り投げることが許されるような状況ではなかった。

党に戻りたいのはやまやまだが、まだ早い、というのが実情だった。

マスコミは大騒ぎして、本当に私に辞表を出させようとしていたのだろう。
麻生内閣の足元が乱れている、政務官がまた造反した、という絵を作りたかったのだろう。
私は、今でもそう思っている。

結局、当時河村官房長官や森法務大臣の求めに応じて改めて記者会見を開いて、「最後まで法務大臣政務官の職責を全うします」、と述べることになったが、今度は今度で「辞めるの止めた」と大きく報道されることになった。
まあ、右へ転んでも左へ転んでも面白おかしく取り上げられる、ということだ。

これって、マスコミが作り上げた騒動でしょう?

私の立場からすると、当時のマスコミ報道は、筋を間違えた誤報の類である。
こういうことは、結構多い。

私が関係する仕事で一面記事のトップに掲載された記事が完全な先走りで、結果的に誤報になったという事例もいくつか知っている。

だから、大手新聞社の報道だからと言って鵜呑みにしてはならない、そういう思いで小沢秘書裁判も小沢裁判も見ている、ということをご理解いただきたい。

スポットライトの当て方で物は違って見えることがある。

今はどちらかと言うと、群盲象を撫でる、と言ったところである。