島田紳助氏の身の処し方に学ぶ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

島田紳助にはいい弁護士がついていたようだ。

報道されている限りでは、暴力団関係者との交際と称されるものはそれほど大したものではなかったように思われる。
何故芸能界を引退しなければならないのか不思議に思うような、突然の引退表明である。
人気番組を多数抱えているのに人気タレントに突然引退を表明されたのではテレビ局もさぞ困るだろう。

しかし何事も見切り時がある。

これは駄目だ、危ないと思ったらさっさと手を切る、というのは大事なことだ。
島田氏本人にそういう決断が出来たとは思えない。
誰か強力で、しかも本人にとって極めて有効なアドバイスが出来る人がいたはずである。
普通は、弁護士である。

そういう判断が出来る弁護士でありたい、というのが私の願いである。

暴力団関係者との危ない交際ということだから、当然警察筋からの話が島田氏には届いていたと思われる。
既に起訴されている暴力団関係者との長年にわたる交際が問題とされ、暴力団関係者への手紙や写真、メールでのやり取りまで警察が把握していた、などという話であれば、警察が島田氏や島田氏の周辺をマークしていたと考えておいた方がいい。
真相は分からないが、何となく匂ってくるものだ。

こういう時にどう対処するか、というのは難しい。
大体は何もしないで様子を見てしまう。
状況がどんどん悪くなっているのに気が付かない、などということもある。
下手に動いて反って状況を悪くしてしまうこともある。

せめてそれ以上悪くしない、という対処が一番いいのだが、これがなかなか出来ない。
芸能界引退というのは、それにしても凄い決断である。
政治家の出処進退の見苦しさを見せつけられている私たちにとって、これは凄すぎる。

こういう決断をするにはするなりの理由があるのだと思う。
しかし、大したもんだなあ、というのが私の感想だ。
これで暫くは世間を騒がせ、関係者に迷惑を掛けることもあるだろうが、怖いものがなくなる。
このくらい政治家も見事な出処進退を見せてくれれば、政治家の株も少しは上がるのだろうが。

いずれにしても、どんな形であっても本人が十二分な社会的制裁を受けたということになると、例え周辺に刑事事件やスキャンダルに発展しそうな危ない話があっても、これはこれで終わり、ということになるものである。
そのあたりの機微が分かる人が役に立つ。

臭いが分かる、というのは、役に立つ、いい弁護士の実に大事な要素である。
本の上で得た知識では、このあたりのことは分からない。
若い人には、まず分からない。
経験のない人には、およそ分からない。

どんな分野でも、危ないことの匂いが分かる人は有用だ。
昨年来、相撲界から暴力団関係者を徹底的に排除する流れが本格化しているが、今は、芸能界から暴力団関係者を排除しようとする動きが出ているのだろう。
こういう大局観に立ってスポーツ関係のニュースや芸能ニュースを眺めていると、スポーツ界や芸能界から暴力団関係者を排除しようという動きは結構早そうに見える。
いいことではないか。

まあ、この程度のコメントに止めておく。