原子力安全保安院の審議官中村幸一郎氏の名誉回復・職務遂行の正当な評価を急げ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

新しいニュースに振り回されて私たちはどんどん大事なことを忘れて行ってしまう。

何か大事なことを忘れてはいませんか、ということを国会議員の皆さんに訴えたい。

東日本大震災が発生した3月11日から翌3月12日にかけて私たちは原子力安全保安院の存在をはじめて認識したはずだ。
原子力安全保安院の当初の担当官の名前を皆さん覚えておられるだろうか。
中村幸一郎審議官である。

中村審議官は、大地震が起きた翌日の3月12日の深夜更迭(単なる配置転換、職務の担当替えだという説もあるが、通常の人事のルールに沿っていない不本意な配置転換だったのではないか、という意味を込めて更迭と表現しておく。)されている。
その理由を皆さん覚えておられるだろうか。

中村審議官の会見が「国民を不安にする」からだったそうだ。

中村審議官は、原子力安全保安院の会見で「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と認めていたが、職務に誠実であることが国民の不安を招くとして更迭の理由になるのであれば、当該職務に従事する公務員はおよそ国民を不安にするような事実を述べてはならないことになる。
あえて虚偽の事実を述べないまでも、真実を隠蔽、糊塗することを事実上強制されることになる。

中村審議官の更迭を決めたのは、菅総理と枝野官房長官の二人だと言われている。
公の奉仕者であるべき公務員に対して人事権を行使して真実を語ることを封印させた者の責任は大きい。

公務員の職務の遂行は本来どうあるべきか、公務員の職務遂行について政治家の関与はどうあるべきかなどの基本的な問題を考える大事な契機となる。
内閣員会でこの問題を徹底的に解明していただきたい。

そして何よりも急ぐのは、中村幸一郎審議官の名誉回復と職務遂行の正当な評価ではないか。

こんな野蛮なことを二度と繰り返してはならない。
皆さんは如何お考えか。