在宅起訴という観測記事が意味するもの | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ああ、やはりそうしちゃうのかな。

そう思わせるような記事が出ていた。


鳩山総理の2億円あまりの故人献金問題について元公設第一秘書を立件することにした、との新聞報道である。

これまでのマスコミ報道からすれば、本件は立件するのが当たり前だ。

しかし、注意しなければならないのは、在宅起訴の見込み、という件(くだり)である。


政治家が介在する政治資金規正法事件の根は深い。

収支報告書の虚偽記載の根っこにあるところを調べなければ、本当の悪は表に出てこないものだ。

虚偽記載を認め、取調べに素直に応じているからといって、上っ面をなぞっただけの捜査で終わったのでは特捜の名が汚れるだろう。


検察があくまで正義を求めるのか、それとも政権党に阿て中途半端に捜査の終結宣言をするのか、の瀬戸際に来ている。

私は、あくまで法と正義を守る検察であって欲しいと思う。


立件はするが在宅起訴で済ます、ということは、これ以上余罪捜査はしない、というメッセージである。


この段階で在宅起訴という言葉が新聞に出てきていることの意味を考えておく必要がある。

世論の反応を見るための観測記事だと私は見ている。

特に世論が反応しなければ在宅起訴、公訴事実はすべて認めて1回結審。

起訴事実以外の周辺の事実関係は、ほとんど表に出なくなる、ということだ。


誰がこの件の弁護を担当しているか分からないが、おそらく弁護側は捜査の対象を出来るだけ絞り込ませるために死力をつくしているはずだ。

私は、政治資金規正法違反事件の捜査は特に厳正に行ってもらいたいと念願している。

検察の独立を、最後まで貫いて欲しい。