今朝は、長時間のメンテナンスで朝のブログが書けませんでした。
皆さんから沢山のコメントを頂戴しておりました。
ありがとうございます。
一々ご返事できませんが、政治資金規正法の問題についてだけ大事なポイントを指摘させていただきます。
政治資金規正法が議員立法であり、議員立法は内閣提出の閣法よりどうしても構成要件の書き方が甘くなり勝ちだということです。
議員立法の場合は、国会議員が衆議院や参議院の法制局の援けを借りながら法案を起案します。
大体は国会議員の側で法案骨子を作成し、これを条文化するのが法制局の役割です。
しかし、法案骨子そのものも法制局が作ることがあります。
勿論、法案骨子の素となるものが国会議員の側から提示されなければ、法制局としても仕事のしようがありませんが。
国会議員はアイデアを出し、法制局がそのアイデアについて法制局の観点から吟味を行い、その肉付けをし、最後に条文化に向けた作業を行う。
大体そんなイメージです。
新たな政策推進のための根拠法となる基本法を策定する場合には、これで十分です。
省庁の縦割り行政の弊害を克服するために、まず基本法を策定し、各省庁には省庁横断的な取組みを促し、かつ特別の予算枠を獲得する。
こういうときには、なにより議員立法です。
しかし、議員立法に係る法案に罰則規定が載っているときは要注意です。
関係省庁での検討を経て衆議院または参議院の法制局が条文を起案(参考起案と言った方がいいでしょうか。)しますので、大筋において間違いはないのですが、どうしても立案者の国会議員の個性が色濃く現れます。
立案者の国会議員の思い込みや思い入れが強ければ、事務方の意見は参考意見程度になります。
法制局的なチェックが甘くなるのは、こうした国会議員と事務方の力関係に起因している。
私は、そう見ております。
政治資金規正法は、議員立法です。
政党の思惑や都合が色濃く反映されております。
何でこんな細かいことの規制をするのだろうか。
そう思うようなことがあります。
たまたま世論の注目が集まり、現行法に欠陥があるという認識が広がっていたので、法の抜け穴をどうやって防ぐかという観点から大急ぎで手当てをした。
そういうときに、おやっ、と思うような条項が潜り込むのです。
いったいこの規定は、どんな場合に適用されるのだろうか。
この条項を杓子定規に解釈したら、とんでもないことになるのだが。
法律実務家であれば当然危惧を抱くような条項が、法律として成立してしまうことがあります。
さて、この構成要件の射程距離はどのあたりまであるのか。
自分としてはそんなつもりではなかった、などと言っても手遅れです。
出来るだけ狭く解釈したいのは人情ですが、実際には、そもそもの立法趣旨や法律の制定過程での議論を踏まえて法を解釈適用することになります。
ただ、構成要件が曖昧だったり、多義的だったりしたため、そもそもの立法当時の意図と異なった運用がなされてはいけませんね。
これ以上のコメントは差し控えますが、議員立法の問題点の一端を理解していただければ幸いです。