脳死・臓器移植法の改正作業がなぜ進まないか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

国会議員は、どうも妥協が下手だなあ。


そう思わざるを得ないことが続いております。


脳死臓器移植法の改正問題について今朝の新聞が色々取り上げたおりますが、私は、これこそ国会が早急に結論を出すべき問題だと思っております。


本人の意思が不明な場合は、家族の承諾だけで脳死判定・臓器移植が出来るようにしようという、いわゆる河野・中山案(いわゆるA案)には私は反対です。


対案として、15歳以上の者にしか意思表示を認めていない現行法を、12歳まで拡げようという提案がなされております。

いわゆる斉藤案(B案)と称されていますが、この提案者の一人に私も名前を連ねております。


本音は、河野・中山案と斉藤案の折衷案(A+B案)を提案したいためです。


現行法制の基本ルールを維持しながら、社会の要請、現実のニーズに応えるためにどうしたらいいか。

そういう切り口で、私はこの問題を捉えております。


私の提案は、6歳以上の児童については、本人の明確な反対の意思表示がない限り、親権者の承諾で脳死判定・臓器移植が出来るようにしようというものです。

残念ながら、河野議員が自説を一歩も譲らないため共同修正案が出来ません。


そういう背景で、現行の脳死臓器移植をより厳格なルールに置こう、というC案が提案されました。

これで三つ巴となり、この法案の審議が店晒しになっているのです。

私は、原点に立ち戻り、少しでも国民の納得が得られやすい改正をまず実現して、次のステップを踏んだらいいのに、と思っておりますが、どうしても説得不能、頑固な人がいれば、残念ながら今の状況では議論が進みません。


こんなことも国会の機能不全の一因でしょう。

困ったことです。


消費者庁設置法案も、いいところまで来たのに、民主党の枝野議員が消費者オンブズマン構想に固執し、折角の法案が店晒し状態です。

どうして皆さん漸進主義を取れないのでしょうか。

木を見て森を見ない。

枝葉末節に拘り、議論だけもてあそぶ。


これは、私が期待する日本の将来を背負って立つ政治家の、あるべき姿とは、かなり遠いですね。