自宅のパソコンを新しいものに変えた。画面の大きさもスピードも一変。
政治もこのスピードが必要だ。
しかし、日本は世界の変化に少しずつ遅れているようだ。このままでは周回遅れと言われてしまうことは必至である。
先に民法772条の離婚後300日以内出生の子供の嫡出推定問題を取り上げたが、どう考えても、明治時代の法律が現在でもそのまま通用しているのは、信じがたい。私たちの同僚議員の間にもそのことに特別の疑問を持たない議員がいることも信じがたい。
朝日新聞の報道によると、日本の法整備支援で日本法に準拠して民事法の整備を進めたカンボジアでは、離婚後300日以内に出生した子供は前婚の夫の嫡出子として推定するとの規定を置いているが、女性が再婚している場合は、この推定規定を適用しないとの例外規定を置いているとのことである。
カンボジアの民法は、日本から派遣された法律家が起案したと言われている。
カンボジア民法の規定がこういった例外規定を設けているということは、日本の民法をそのままで外国に輸出することは、適当でないと判断されたということである。現在の日本の民法の規定は、そのままでは国際社会に発信できない欠陥を内蔵しているということだ。日本の法律専門家がそのことを自認しているということだ。
私は弁護士として32年間様々な法律問題を担当してきたが、この問題についてはほとんど関心を持っていなかった。問題の所在をはっきり認識したのは、つい最近のことである。
しかし、問題の所在を知った以上、その欠陥を速やかに改めるのが立法府である国会に議席を得ている国会議員の責務であると確信している。
この改革は誰にも不利益をもたらさない。この改革は極めて合理的である。この程度の改革も出来ないようでは、国会議員の資格はないとさえ思う。
しかし、現実にはこの程度の改革でも、その実現のためには大変なエネルギーを要する。
マスコミは、民法772条見直し問題に疑義を唱える意見が噴出したと報道したが、先の法務部会で発言したのは僅か3名である。一人で何度も発言を求める声があり、吉野部会長が敢えてその発言を封じなかったため、反対論、慎重論が多かったとの報道になったが、自民党の大勢は戸籍法の特例を設けることに積極である。
現時点で平場で議論すれば、与党プロジェクトチームが取りまとめた方針に賛成の声が圧倒的だということが分かる筈だ。
今法務部会での議論を再開しないのは、あくまで党内での改革派と守旧派との新たな対立の構図を表に出したくないからだと思っている。
明日、統一地方選挙の後半戦の結果が判明する。
自民党が改革を推進する政党であることを放棄した瞬間に、国民の支持は自民党から離れてしまうであろう。
郵政民営化に反対した造反議員の復党を認めたために、極端な保守派が支配する古い自民党に戻ってしまった、と評価されないよう、改革推進の努力を続けていこうと思っている。
それが自民党のためにも、日本のためにも必要なことだと確信するからである。