いよいよ頂上決戦か?/公務員制度改革の全体像が提示される | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

8時から開催された民法772条見直しプロジェクトチームの会合に引き続いて、行政改革推進本部・公務員制度改革委員会に出席。

定刻の8時30分を若干過ぎて会議室に入ったので、座る場所がない。郵政民営化問題で連日大激論を戦わした平成17年の今頃と同じような雰囲気が漂っている。


塩崎官房長官の説明があった後、議員の討論に移る。

雛壇の前に陣取っていた若手議員や、会議室の入り口から最も遠く、ベテラン議員がいつも座る座席に座った議員等の手が一斉に挙がる。まさにこの瞬間を待っていたかのような気合を感じる。


発言を求める議員の数が余りにも多く、座長席から見づらい場所に辛うじて座席を確保した私には、発言の順番が回ってこないことを覚悟する。

今日は出席議員全員が発言しようとして公務員制度改革委員会に出席したようだ。

これまで渡辺行政改革担当大臣と他の省庁を所管する大臣との間の激しいバトルの様子が新聞等で連日のように報道されてきたが、いよいよバトルの舞台が本丸である自民党の部会に移ってきたということである。


マスコミは自民党の中で激しい議論が行われると、制度改正の中身に欠陥があるかのように報道しがちで、その議論の中身について十分検証しないが、私は、最終的な結論の姿はともかく、自民党の中であくまで民主的な手続きで真摯に議論が展開され、一人一人の議員の意見が自民党の政策決定に反映されていくという、このプロセスが重要だと思っている。


霞ヶ関の官僚がこぞって反対の声を上げる公務員制度改革がいよいよ俎上に上ってきたのである。


新人材バンクを立ち上げ、各省庁ごとの縦割りの再就職斡旋の窓口を内閣に一元化する、各省庁の権限行使や公共工事の配分を背景に行われてきた押し付け的天下りを禁止する、退職公務員の出身官庁に対する働きかけを禁止する、中央省庁のこれまでの縦割り行政を改め、内閣の指導力を強化する。これが、この度の公務員制度改革の大要である。


若手の議員からはこの度の公務員制度改革を支持する声が高い。中小企業経営の経験を持っている中堅の議員からも、公務員制度改革を求める声が上がる。

官僚出身の議員からは、機能する人材バンクでなければならない、この制度設計では公務員に優秀な人材を確保できなくなる、という、批判の声が上がる。


いよいよ頂上決戦の様相を呈してきた。

私は、4年間自治省に奉職した官僚出身者であるが、この度の公務員制度改革を推進する立場である。今後の議論の推移に注目していただきたい。