諸君、ご壮健かな。
巨匠・石ノ森章太郎。
彼の代表的な作品。
サイボーグ009。
この作品は、実は未結である。
何度も最期を描こうとしたが。
結局、どれも未結で終わってしまった。
石ノ森なきあと。
弟子たちが、彼から聞いた構想をもとにその最期を描いた。
そのあまりにも哀しいサイボーグたちの戦いが。
この書で終わった。
サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR。
結局、彼らは何のために戦っていたのか?
打倒、ブラックゴースト?
地球の平和を守る?
そんな結末ではなかった。
サイボーグ戦士たちが真相を知ったときの心を思うと胸がきしんで。
それでも立ち向かう戦士たちの姿を観ると切なくて。
彼らが青春の全てを犠牲にして、戦い続けたあと。
その心に残っていたのは、人間としてのささやかな願い。
身体は機械にされてしまっても。
その魂は誰よりも温かい。
心をうつエンディングであった。
ただ、ひとつ。
残念なこと。
この最期を。
石ノ森章太郎に書いてもらいたかった。
そんな叶わぬ思いをいだきながら。
そっと書を閉じるのだ。
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