諸君、ご壮健かな。
人は二人以上になると。
ドラマが巻き起こる。
その際たるものが電車。
今日は、そこで繰り広げられた。
仁義なき戦いを語ろう。
ザンジバル(電車)に乗っていると。
カチッと髪を分けた、高度経済成長期にはエリートだった風の男が立っている。
※以下、襟男。
その向こうには。
中学生?高校生?正直、オサーンの私にはどっちかわからない、学生がたっている。
※以下、釈迦男
シャカシャカ。
高温ノイズがもれてくる。
私はあまり気にならないが、襟男は気になるようだ。
夜の車窓に映る襟男の眉間には。
深いシワがよっている。
(まずいな。)
私は勝手にハラハラする。
このタイプは突然、キレる。
そう、耐久性の限界を迎えた吊り橋のケーブルともはや同種なのだ。
キレる。
ロンドン橋、落ちるーおちるーおちるー。
ロンドン橋、落ちるーおちるーおち・・・。
た。
襟男「うるせえぞ、ガキ!」
釈迦男「す、すいません。」
ロンダルキアの山が爆発したような。
目をむく襟男に怯える釈迦男。
音は小さくなった。
そして、静まる車内。
私は思う。
お前の方がうるさい。
ザンジバルは夜をかけていく。
(過去の仁義なき戦い )