タクシーとの仁義なき戦い① | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~

諸君、ご壮健かな。




私はたらふく飲んでいた。

いや。

正確に言うと。


飲まされていた。


関西弁の恐怖の大王ヌックンと。
アホなのに偉そうなシノーブックと。

マシュマー様と鬼畜男ブロッケンもいるが。
二人の圧力に鼻じろんでいる。



ヌックン「シャア!、お前、痛いなあ。」

来たよ。
やはり来た。


さらに。

シノーブック「昔、ホントダメなやつがいて…。」
シノーブック「生意気なんだよ、あいつ昔から。」
シノーブック「昔、友達がいて…。」

うっせ!

昔昔言うんじゃねえ。
今を生きろ、生ゴミ野郎!

でも。

友達なんて彼にはいないのはわかっている。
嫌みばかり言うから。

それを知っているので、私は黙って聞いている。
嫌だけど、同じ空気を吸うのも。


そして、宴もたけなわ。

マシュマー「さて、ここらへんで…。」

無駄に盛り上がりを見せる会を。
強引に閉める男。

素晴らしい。


そして、外に出る。

気がつくとヌックンはいない。
そりゃないぜ、セニョール。

目の前にはとんでもない千鳥足のシノーブックが!!!
どうすんのよ!

とりあえず強引にタクシーに押し込もうと。
私はシノーブックの背中をぐいぐい押す。

しかし、シノーブックは。
タクシーの屋根にてをついて、乗ろうとしない!

帰れよ!
頼むから帰ってくれよ!

この場にいる全員が望んでいるんだよ!


私は困って後ろを見る。
するとマシュマー様とブロッケン。

トンズラしてやがる。

ふ・ざ・け・ん・な!


(もういいや。)

私は諦めて。
一人でタクシーにのった。

そして、後ろを見てみる。


シノーブック。
六本木の夜に消えていく。

私は脱力感にたえられず。
タクシーで眠りについた。

そして。
事件は翌日。



(つづく)








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