諸君、ご壮健かな。
昔の人は行ったものだ。
千里の道も一歩から。
終わりよければすべてよし。
人が踏み出そうという瞬間！
人がやり遂げた瞬間！
それを見るために、人は物語を観るのだが。
シャア！は。
その二つしかないＤＶＤを手に入れた。
アニメ最初と最終回「ドカベン」。
いいとこどりのＤＶＤを。
シャア！は観るのだ。
こんなに幸せなことはない！
裏返して見る。
シャア！が幼少期観た。
あの、物語が蘇る。
思えば。
山田太郎は転校生だった。
一人ぼっちで始まったドカベン。
岩鬼に絡まれても。
苦しい顔一つせずに、真っすぐに生きるドカベン。
いつしか、その周りに人は集まり。
柔道着を脱ぎ、いつしかチーム競技の野球部に入る。
そして、甲子園にやってきた。
ドカベンの周りには。
数々の熱戦を潜り抜けてきた、仲間がいる。
曲者、殿間がいる。
天才、微笑がいる。
小さな大投手、里中がいる。
そして。
あの岩鬼がいる。
照りつける夏の太陽よりも。
熱いだろう、彼らの最後の戦い。
それを観ながら私は思う。
そう。
誰にもあったシーズン。
遠く、もう来ない時間。
でも。
あの頃と変わらない夏が。
今年もやってくる。
- （参考文献：アニメ絶対最初と最終回 ドカベン）
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