※この記事は過去記事の再構成です
諸君、ご壮健かな。
今日は、名もなき一人の戦士について語りたいと思う。
バーナード・ワイズマン(通称:バーニィ)。
時は一年戦争末期。
ホワイトベースに搭乗するアムロ・レイのために、ニュータイプ用新型ガンダムが開発されていたあるコロニーでのお話。
バーニィはそのガンダムを奪取・もしくは破壊するために送り込まれた部隊の一員だった。
しかし、計画は失敗。
その後、目的を失ったバーニィは聞いた。
シオン公国は、クリスマスまでにガンダムを破壊できないときには核でコロニーごと破壊するという。
それを聞き、バーニィは脱出しようとする。
しかし、自分の生き方にうそはつけない。
踏みとどまった彼は、破壊されたザクを修理し新型ガンダムをクリスマスまでに破壊しようと決意する。
そのそばには、彼を応援する少年・アルの姿があった。
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ザクを修理するためには、部品が必要。
バーニィとアルは、一緒に部品を集める。
アルにとって、本当の兄のようなバーニィとの時間は
幸せな時間であった。
二人は力を合わせる。
そして、ザクの修理は完了。
ガンダムを待ち伏せして、破壊する罠も出来上がった。
そして、その夜。
アルは、バーニィにできることはないか、と問う。
生きて帰ってくるよね、と問う。
バーニィは、どこまでも優しい目で見つめる。
そして、バーニィはアルの頭をゆっくりとなでた。
大丈夫、と言い残して。
アルは、一晩中、バーニィの無事を祈った。
決戦のクリスマス。
バーニィは、絶望的な闘いに挑む。
その目は力強い。
自分にうそはつけない。
バーニィはガンダムを、犠牲者の出ない森に誘い込み
罠にかかるのを待つ。
しかし。
このとき、ジオンの核を搭載した艦艇が取り押さえられる。
そう。
バーニィの戦いに、意味はなくなったのだ。
それを知ったアルは、バーニィを止めようと走る。
しかし。
バーニィは、ガンダムと対峙している。
アルの小さな叫び声など気がつかない。
そして。
アルの目の前で。
ザクのコックピットは貫かれる。
一瞬で、バーニィの肉体は焼けとけてしまう。
その様子を、アルはなすすべもなく見ていた。
バーニィは、その思いとともに死んでいった。
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このシーン。
私の心は、激しく揺さぶられる。
バーニィの報われない行為。
アルの悲しさ。
実際に見た人ならわかるだろうが
小さなアルが全てを背負って、いきていく。
バーニィの恋心も。
バーニィの行為も。
いや、その存在さえも。
名もない兵士たちの戦いが、もっとも悲劇的なのかもしれない。
ぜひ、この作品は見てもらいたい名作だ。
参考文献