絶対防衛線でのELSとの戦闘に途中から参戦したソルブレイヴス。そもそも新型MSブレイヴは、まだ“次期主力候補機”であって正式採用機ではなかった(性能評価中)。ブレイヴのみ6機で編成されたソルブレイヴス隊も、試験運用の為のテスト部隊であり、マネキン准将の防衛ライン配置にも既定の部隊としては組み込まれていなかったように思う。

しかし、連邦軍の戦力がELSに比べて数量的に圧倒的に不利なのは明白で、戦力として使えるものは全て投入する方針でもあったと思われる。その為、試作機扱いに過ぎなかったブレイヴも、急遽GNX-Y903VS /GNX-Y903VW という形式番号から、試作機を意味する『Y』が外されて、GNX-903VS /GNX-903VW と変更され、ソルブレイヴス隊にも召集が掛かったのだろうと思う。

まだ連邦軍のどの艦隊にも所属していなかったソルブレイヴス隊は、予め割り当てられた守備範囲(防衛ライン)を持たない代わりに、自由に動き回って臨機応変に防衛を行う遊撃部隊的な存在となったように思う。つまり、マネキン准将による戦術には組み込まれていないが、+αの戦力として、隊長であるグラハム・エーカーの指揮で独自に動いていたと言える。かつての対ガンダム調査隊…オーバーフラッグスに近い存在とも言えるかも?クルーズモード(巡航形態)への変形による機動性の高さ(高速移動による活動範囲の広さ)を売りとするブレイヴにとっては、うってつけの役どころだったと言える気がする。

「ソルブレイヴス隊の精鋭に通告する。これから出向く戦場では諸君らの命を懸けて貰う事になる。だが、敢えて言おう…死ぬなよ!」

盟友ビリー・カタギリの手による、思い入れの強いフラッグ後継とも言えるスタイリングと、かつて恋焦がれ追い求めたガンダムと同等とも言える高性能を持つ機体…それがブレイヴ。そして、ユニオンの精鋭パイロットを集めたオーバーフラッグス隊にも匹敵する技術と矜持を持つ精鋭の部下達。今が最も心身ともに充実した、ベストコンディションのグラハムだと言える気がする。そして、ブシドーの時のように、ただ勝つことだけを求めた戦いとは違う。地球を、人類を守る為に…生きて未来を掴む為に戦う。

命を懸けて、生きる為に。