刹那とリボンズの対決は、まずはリボーンズキャノン 対 ダブルオーライザーの形で始まった。


リボーンズキャノンは砲撃主体の形態なので、全砲門の粒子ビームを連射してダブルオーライザーを撃ち落そうとする。キャノンの砲撃は一発の威力も高い上に、それなりの連射性もあって激しい攻撃だ。しかし、ダブルオーライザーの機動性とスピードもかなりのもので、キャノンの砲撃を軽快にかわす。刹那にはまだ「この程度の砲撃…」と言いながら横目で粒子チャージ率を確認する余裕があった。ビーム攻撃の合間にリボーンズキャノンがエグナーウィップを射出して来ても、そのワイヤーすら回避しつつ敵との距離を詰めるダブルオーライザー。


砲撃型のリボーンズキャノンに接近戦を挑む刹那。「ここは俺の距離だ!」とGNソードⅢを突き出して、自分の得意分野での勝負に持ち込もうとする。敵の懐に入り込んでしまえばこっちのモノだと。得てして遠距離砲撃戦を得意とする機体は、近接格闘戦には弱かったりする。そのセオリー通りに攻め込む刹那であった。しかし、その目論見は呆気なく瓦解する。リボーンズキャノンが大型ビームサーベルを素早く抜刀し、ダブルオーライザーを弾き返したのだ。そのパワーはダブルオーライザーを岩壁に叩きつけるほどの力強さだった。


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何が起きたのか?と一瞬戸惑う刹那の上空で、リボーンズキャノンが変形を開始する。変形を完了して振り向いた機体は、無骨で不恰好(?)な砲撃型のリボーンズキャノンではなく、整ったガンダムフェイスを持つスタイリッシュな機体と化していた。その両腕にはそれぞれ一基ずつの擬似GNドライヴが搭載されており、甲高いうなりを上げながら、大量のGN粒子を放出していた。「ツインドライブシステムが、自分だけのものと思っては困るな。そうとも、この機体こそ人類を導くガンダムだ!」と気勢を上げるリボンズ。

アレハンドロの専用機アルバトーレ&アルバアロンほどの金ピカ成金趣味のデザインではないが、どことなく派手で豪華な雰囲気に仕上げたのはリボンズの好みだろうか。救世主や神を名乗ったからには、それに相応しい高貴さや絢爛さが必要だとでも考えてカラーリングとかを決めた気がする。個人的には赤白黄色(金色?)の組み合わせは華美過ぎて好みではないが、確かに風格みたいなものは多少感じられて、客観的にはカッコイイ…のかも?少なくともリボーンズキャノン形態よりは、リボーンズガンダムの方がまとまりが良いデザインにはなっている。しかし、リボンズはアレハンドロよりは程度を弁えているので悪趣味でもないが、好みの方向性は若干共通点があるな。


とりあえず、リボーンズガンダムはその外観から強そうな雰囲気というか、威圧感を醸し出すことにはある程度成功している気がする。そして、リボーンズガンダムの性能は見掛け倒しではなかった。改めて振り下ろされたビームサーベルでの攻撃をGNソードⅢで受け止めたダブルオーライザーだが、グイグイと押されてパワー負けしそうになっていた。すかさず体勢をを整える為に一旦後退して離れる判断をした刹那だったが、リボンズはすぐにキャノン形態に再変形して(というか、前後逆に振返っただけ?)砲撃する。回避が間に合わずダブルオーライザーの右足にビームが命中し、膝下から先を破壊されてしまう。疑似でもリボーンズガンダムは伊達じゃない!とでもアムロ声で言いたい感じか?So Gets No Ball様よ?


また、その後すれ違いざまにオーライザーの右バインダー先端を切り取られてしまうなど、致命傷とまではいかないが、少しずつダメージを蓄積させられてしまうダブルオーライザーだった。相手にガンダムに変形されて動揺し、リボンズに先手を打たれて体勢を立て直せずに劣勢を強いられる刹那であった。


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ただでさえ押され気味のところに、「援護しますよ、リボンズ・アルマーク!」とリヴァイブの乗るガデッサとヒリングの乗るガラッゾが参戦・刹那は、リボンズと1対1でもややキツかったのに、いきなり1対3になってしまう。これは非常に不利である。しかし幸いにも、刹那にもすぐに援軍が来てくれた。アリオスケルディム が加勢に来てくれて、ガデッサとガラッゾの相手を引き受けてくれたのだ。物理的にもこれで助かったが、精神的にも仲間の支えを実感出来て励みになったのではないかと思う。これによって刹那は気合が入って持ち直したような気がする。


アリオスがヒリングのガラッゾを倒して、勢いそのままにリボーンズガンダムに向かって行く。リボンズはGNフィンファングを射出して、そのうち2基をアリオスに差し向ける。これに対して、反射と思考の融合した超兵の実力がどのように対処するかと期待したが…。ファングをアリオスの両腕に内蔵されているGNビームサブマシンガンで迎撃するも、ファングの素早い動きを捉えるには到らず、逆に、ファングをかわし切れなかったアリオスの胸部に、2基のファングが突き刺さる。アレルヤの命に別状はなかったが、アリオスは為す術なく戦闘不能に陥ってしまった。


GNフィンファングへの対処として、これと対象的だったのは刹那のダブルオーライザーだ。刹那は目にも止まらぬ速さで迫り来るファングをヒラリヒラリと回避して、次々に撃墜して見せた。機動性の高いアリオス+超兵の能力でもかわし切れなかったファングに、刹那は見事に反応して対応して見せた。これが純粋種イノベイターの力ということなのだろうか。「やるじゃないか…」とまだ上から目線で余裕を見せて落ち着いた言い方をしていたリボンズだが、危機感というほど焦りはしないまでも、内心は見た目ほどは穏やかでもなかっただろう。