正直言うと、このアニューとライル絡みの話は個人的にはあまり好きではないので、ビデオの再視聴回数も他の場面よりも少ないし、ブログに記事を書く意欲も若干低下気味…。まぁそれでも書きますがね。ただ、腑に落ちない点が多いのは事実で…。


さて、カタロンとしても、ソレスタルビーイングとしても、いずれにしてもアロウズやイノベイターとは断固戦う覚悟を決めたつもりのライル。意志として判断として理屈としてはそのつもりなのだけど、唯一感情的には自分を納得させきれていないのが事実。


オーライザーを奪ってトレミーを脱出したリヴァイヴと、ダブルオーガンダムの奪取に失敗し小型艇で脱出したアニューを追撃する刹那とライル。ダブルオーライザーはCBの切り札とも言える戦力である。なので、オーライザーの奪還は何よりも優先せねばならない。ダブルオーはオーライザーがなければトランザムを安定して使うことも出来ない。ケルディムでダブルオーを抱えてトランザムにて速度を上げて、リヴァイヴの乗るオーライザーを追うライル。スメラギが考案したオーライザー奪還ミッションは、既にオーライザーに密かに潜り込ませてあった赤ハロがコックピット内で暴れて(?)機内を混乱させ、それに乗じて赤ハロ自身がオーライザーのコントロールを奪うというモノ。そしてオーライザーをすかさずダブルオーとのドッキングモードに移行する。ドッキングを開始するとオーライザーのコントロールはオートにロックされ、その後機体制御のメインはダブルオー側に移されてしまう。こうなるとリヴァイヴにはどうにも出来なくなる。


リヴァイヴは、さすがに判断の切替は迅速で、オーライザーの奪取を諦めて破壊へと方向転換。持ち込んだ自動小銃でコックピットを乱射して、機能停止させるというイタチの最後っ屁をカマして脱出した。これにより、オーライザーを奪還はしたものの、しばらくは復旧に手間取るというダメージをCB側に対して残したことになる。転んでもタダでは起きないというのはこういうことだ。


リヴァイヴはアニューの乗る小型艇に合流し、アニューは現宙域からの離脱を敢行。それを許すまいと小型艇にライフルを向けて狙撃モードに入るライル。狙撃を得意とするケルディムであり、小型艇はまだ大して離れてもいない。撃てば確実に命中する。そして、命中すればリヴァイヴとアニューという二名の敵を一気に片付けられる。しかしライルは撃てない。何度も撃とうとするのだが、どうしてもアニューを撃つ事が出来ない。…まぁ、そうだろうよ。ライルにとってはアニューは一番大切な存在だ。そう簡単に割り切れるはずはない。


しかし!である。そもそも撃つ必要あったのか?と疑問に思う。なるべくなら撃つべきではあったかも知れないが、撃つ事が必須の状況でもなかった気がする。誰もアニューを殺せとは望んでなかったし。


小型艇は大した速度も出ない機体だった。ケルディムはダブルオーを抱えてトランザム飛行をしたけれど、決して粒子残量を全部使い切るほどではなかったはずだ。もう一度ケルディムがトランザムして追いかければすぐに追いついたのではないか?脱走を試みた捕虜リヴァイブと裏切り者のアニューを、ここですぐに殺さなければならない理由はなかったはず。むしろ再逮捕して連れ戻しても良かったのではないか?リヴァイヴからは、まだ当初の目的だった情報を聞き出せていないワケだし、アニューを連れ戻せばまだ、ライルとしては説得して改心させる可能性も残せる事になる。少なくとも、撃って殺せないのなら、追いかけて連れ戻すのがベターな選択ではなかったか?あまりにも動揺してその程度の事も思いつかない刹那とライルだったのか?


撃てない自分の覚悟の甘さを責めてる暇があったなら、アニューを殺したくないという自分の気持ちと、自分のな為すべき事の妥協点を見出して、もう一度捕らえ直すことが最善だったように思うのだが。ライルはここで自ら、アニューを取り戻す為の最大のチャンスを逃したことになる。撃てなかった覚悟のなさを「何て情けねぇ男だ!」などと嘆くよりも、ここできちんとした判断が出来なかった事を悔やんだ方が良さそうだ。