1stシーズン第25話「刹那」の最後に、グラハムの乗るフラッグカスタム2(GNフラッグ)との戦いで相当なダメージを負ったエクシア。擬似GNドライヴとケーブルで直結したビームサーベル(第18話「悪意の矛先」でスローネアインから奪ったヤツ)で、エクシアは左腕を肩から切り取られ、顔面右側を突き刺されて頭部ごともぎ取られた。最後には相討ちではあったが、コックピット右側を抉られる形で胸部を貫通されるエクシア。GNドライヴへの直撃は避けられたのは不幸中の幸いだったが、赤青双方のGN粒子が散っていたので、恐らくはサーベル刺さったり切り取られた部分以外にも、小爆発による周辺の破損はあったと思われる。


その後エクシアは気を失った刹那を乗せたまま宇宙空間を漂い、CBの仲間の前からも姿を消す。通常ならばガンダム各機の位置は量子通信等の特定シグナルで把握可能なのだが、エクシアは機体ダメージによりそのシグナル着発信機能にも支障を来たしていたのだろう。イアン達CBの生存者もエクシアを追尾出来ず、刹那からも仲間の安否が確認出来なかったようだ。


そんなエクシアが、4年後の2ndシーズンにも登場する。不完全ながらも修理を施されて。勿論、修理を行ったのは刹那だろう。刹那はイアン達と合流出来ずに(わざとせずに…ではないよな?)いたので、きちんとしたメンテナンスを受けることは出来なかったし、ガンダムをCB以外の人間に修理してもらう事は無理だろうから。そもそも、ボロボロに破損したエクシアでは大気圏突入も無理だろうから、宇宙空間で何とかするしかない。そんな状況で、専門技術者でもない刹那はどうやって修理したのだろうか?


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ガンダムマイスターはイアンのようなメカニックの専門家ではないが、ある程度の整備は自分で出来るように、そこそこの訓練を受けてガンダムの基礎的な技術知識は持っているんだろう。CBの実動部隊は少数精鋭で人手が少ないし、トレミーと離れて地上に長期潜伏してミッションを続けることも当然多いはず。だから、イアンの手を借りなくてもガンダムの最小限の整備は出来なきゃマイスターとして失格なのだろう。イメージ的には細かい作業は嫌いで不器用そうに感じる刹那だが、実は案外、機械の知識もあるし分解・組立等の作業も問題なく出来るのかも知れない。


2ndシーズン第1話「天使再臨」にて、姿を現したエクシアリペアはどんな状態だったか。まず、左腕はなく布キレで覆ってあるだけ。頭部はあるが顔の右半分は欠損した状態で、アイカメラは赤くて丸いのが光ってた。右首もとのクラビカルアンテナも無くなっていて、胴体の穴は塞がれているが、左胸部のダクトは欠けている。腹部のコックピットハッチは何故か青いはずの塗装がされてなくてグレー。腰のフロントアーマーも左側は取れてなくなっている。右足の膝や両足首の装甲も失われていて、両足共にGNコンデンサがなくなっている。武装は右腕のGNソードのみで、その刃はアチコチが刃こぼれしてて剣先も欠けている。一応動いてはいるけれど、かなりボロボロで性能の半分も出せない気がする。コンデンサが相当欠落していることから見ても、機体内部に蓄積出来る圧縮粒子も少ないだろうから、トランザムも出来なかった可能性が高い。出来てもボロボロだからトランザムによる負荷に機体各所が耐えられそうな気がしない。


どうやら、GNフラッグに切り取られてしまった左腕は見つからなかったか、見つけたが修理不能な程に壊れてて使えなかったか。飛ばされた頭はその辺に浮遊しているのを見つけたのだろう。大穴が開いて右目のカメラが壊れたが、どっかでティエレンのモノアイ用の赤いレンズのカメラを調達してきたようで、それを無理繰りくっつけて代用している。見た目はイマイチだが(いや、そこがむしろカッコイイのか)、頭部は一応接続して機能するように取り付けている。


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コックピットには結構なダメージがあったはずで、右側のスクリーン等もゴッソリと壊れていたはずなのだが、何故か綺麗に修復されていた。ビームサーベルで大穴が開いたボディの穴は塞がり、色違いとはいえコックピットのハッチも普通に閉じていた。いくらなんでも刹那がここまで丁寧に綺麗に修理出来るとは思えないのだが…。というわけでこれはあくまでも想像だが、コックピット周りに関しては、刹那がこまごまと必要部品を一つ一つ集めて綺麗に修理(いや殆ど作り直し)したのではなく、ごそっとブロック単位でユニット交換したのではないかと思っている。でも、それってどこで入手したんだよ?という疑問が残るはず。


実は、CBには宇宙空間各所にファクトリーや資材倉庫、秘密ドック等の『アジト』があるらしい。小惑星等の中に隠された形で。アジトといっても大小様々で全てに大きな設備や十分な資材や人員が配されているとは限らない。中には使用せずに休眠状態にされている場所もあるだろうし、無人の資材置き場や予備として用意されている拠点もあるに違いない。もしかすると、刹那はそういったCBの無人のアジトの所在をいくつか知っていて、近場の拠点にあった部品や資材の中から使える物を、エクシアの修理に流用した可能性があると思ってる。エクシア用じゃなくても第二世代ガンダムのアストレア等の予備部品なら代替品として使えるだろうし。そうでなければ、あんなにコックピット内部が綺麗に修復されている説明がつかない気がする。


しかしこうなると、刹那はきっと「アルバアロン倒すのに武器を無駄遣いして失敗したなぁ」と反省・後悔しただろうな?ビームサーベルもビームダガーもGNブレイドも全部、勢い任せでアルバアロンに突き刺して爆散させてしまったが、あんなに黒ひげ危機一髪みたいにブスブスと何本も刺さなくても十分倒せたよなと。せめてショートブレイド1本でも、ビームサーベル1本でも、使わないで残しておけば良かったなと。お陰で刃こぼれしたGNソード一本だけで4年間も過ごさなきゃならん憂目に遭ったわけで。刹那はこれまでずっと武器の無駄遣いやポイ捨てが多かったが、これで相当懲りたのではないかと思われる…よな?