ガンダムデュナメスのマイスター ロックオン・ストラトス。本名 ニール・ディランディ。マイスターの中では最年長であり、性格的にもオトナで面倒見の良い兄貴分的存在。


双子の弟(ライル)と妹(エイミー)が居て5人家族だったが、かつて刹那が所属していたテロ組織KPSAによる自爆テロに巻き込まれ、弟ライルを除く家族全員を失った過去を持つ。その為、テロに対しては並々ならぬ憎悪を抱えている。CBの戦争根絶の理念に共感してマイスターになったのも嘘ではないだろうが、家族を殺したテロ組織とその首謀者を特定し、復讐を果たす事も個人的な密かな目的のひとつだったようだ。


ニールの乗るデュナメスは長距離狙撃等、射撃戦を得意とする機体であるが、そのパイロットであるニールも勿論射撃を得意としている。テロ組織への復讐を心に秘めるというキナ臭い面を持っていた点から、その狙撃能力は復讐の為にどこかの軍や傭兵に所属しスナイパーとして培った技能ではないかと思われるフシもあったが、どうやら学生時代から弟のライルと共にスポーツ射撃(ライフル競技)をやって腕を磨いていた経験があるらしい。その後ニールがスナイパーとしての裏社会の仕事をしてたかどうかは…知らないが。


ちなみに弟ライルも、射撃の腕はライフル競技をやってた当時から決して悪くはなかったようだが、やはり兄ニールの方が成績が良く、何かと出来の良い兄と比較される事を嫌っていたライルは、兄ほどライフル競技に真剣に打ち込まなかったようだ。


恐らくニールは、長男としての自覚もあってか、家族を非常に大事に思っていたようだ。その為、通常は大人らしい冷静な判断と行動の出来るニールなのに、家族を殺したテロに関する事だけは逆上…とまでは言わないが、冷静に対処するのが難しかったようだ。普段は優しいニールであったのだが、テロリストに対してだけは容赦なく武力介入を行っていた。家族思いなニールは、唯一遺された肉親である弟ライルのことも気遣っていたらしく、両親亡き後はライルの学費を仕送りするなどの援助を行っていたようだ。しかし、ライルの方は兄を嫌っていたわけではないだろうが、兄へのコンプレックスが拭えず距離を置いて避けていたフシがある。さらに、ニールの方もそれを察していた面もある上に、自らはCBに参加して戦場に身を置こうとしていた事から、(勿論CBの守秘義務の絡みもあるだろうが)ライルを巻き込まぬように距離を置いていたと思われる。金銭的な支援等はしながらも、長年二人はロクに顔も合わせていなかったのでは?と推察される。


コードネーム:ロックオンストラトスは誰が名付けたのか知らないが、意味としては「Lockon=照準固定、追尾」と「Stratos→stratosphere=成層圏」というわけで、本人が第24話「終わりなき詩」の回想シーンで言ってたように、「成層圏の向こう側まで狙い撃つ男」という意味なのだろう。実際にその名の通り、第5話「限界離脱領域」において、地上から大気圏外への高高度狙撃をやってのけるのだが(まぁロックオンの腕というより、デュナメスのオプション装備の狙撃砲にその性能があったという話だが)。


ニールは、ロックオンストラトスというガンダムマイスターの一人に過ぎず、CBという組織の中で特別な地位にいたわけではないと思う。スメラギのようにヴェーダへのアクセスレベル4を与えられていたり、ティエリアのようにレベル7へのアクセスを許された存在でもなかろう。しかし、直観力や洞察力に優れていたのか、スナイパーとしての目による観察力が鋭かったのか、意外にCBに関して色々と掴んでいたような感じがあった。まぁ彼の気さくな人柄によるコミュニケーション能力の高さも一因かな?守秘義務による個人情報秘匿をよしとする組織の中にありながら、ニールはさりげない会話にてフェルトからも彼女の両親が第二世代マイスターであることを、図らずも聞き出したりしていたし。相手の心を開かせるのが上手なのかも知れない。


ニールは、スメラギの過去についても知っていたようだし、ティエリアがただの人間でないことも薄々気付いていたようだし(これはかなりの極秘事項だと思うのだが)。ニールは、ただの狙撃が上手い人というだけではなく、情報収集力や、ちょっとした事から推測を膨らます察しと深読みも得意をしていた。まぁ、正確な狙撃をミス無く行う上で、ターゲットの動きを微妙な仕草や気配から先読みして予測した上で、照準に補正を入れながら狙い撃つ!必要があるのだけど。実戦の場では、的を照準の中心に置いて引金引けばそれで当たるという簡単なものではないからね。そういう気配を読む能力にも長けていたニールは、やはり優れたスナイパーだったということなのだろう。