Pat Martino Young Guns
最近一番インパクトがあったアルバムがPat Martinoの「Young Guns」である。
正直言ってこれはマジヤバイ。
現在の彼も色々な意味ですごいのだが、これが23歳の若者のプレイとは到底信じられないすごさである。
この時点で音楽性やテクニックがすでに完成されているなんて本当に天才だ。
録音はライブのせいか白熱しているにもかかわらずプレイは完璧で完成度が非常に高い内容だ。
こんな演奏を毎夜やっていたなんて、ゴルフで言えば毎ホールでホールインワンをやっているようなもんだ。
70年頃の実際のPatの演奏を見た知り合いの話を聞いたことがある。
PatのライブアルバムといえばSunnyをやっている「Live」が有名だが、彼によると「Live」は7~8割程度しか力を出しておらず実際のPatの演奏はこんなもんじゃなかったそうだ。
本当に打ちのめされた、といっていた。
Patといえばマシンガンのように弾くシーツオブサウンドに注目が集まるのだが、本当のすごさは音の立ち上がりの鋭さ/スピード感そしてタイム感だと思う。
アルバムでのSam Sackというミディアムブルースを聴くと早弾きなんてしなくても彼がワンアンドオンリーのとんでもないギタリストであることが分かる。
ちなみに随所で聞かれるWesばりのオクターブも聞きものである。
今回はちょっとヒートアップしすぎたかな、とも思うがこんなすごい未発表の音源が出たなんて正直驚き以外にない。
特にジャズギターを勉強している人たちは聞いてみることをお勧めする。
その際はテクニカルな部分を追うのではなく、どうして1音1音があんなにカッコ良くて説得力が有るのかをじっくりと考えてみると良い。
プレイする上での大きなプラス材料となるはずだ。