Ecyclopedia of Jazz Guitar
セッションではを楽器の傍らに「赤本」や「青本」を持って準備している人をよく見かける。
「赤本」「青本」はご承知の通りスタンダードの曲集である。 最近は「黒本」なるものも登場して随分売れているようである。(個人的には黒本の方が信頼できると思うが)
セッションで演奏する曲はほとんどカバーしているし、有名なスタンダードは網羅しているのでジャズを演奏するミュージシャンはこれを持っている人は多いと思う。
確かにジャズを始めたばかりで曲を良く知らない人には必需品かもしれないし、何かと重宝するが、ただこれを使うには注意しなければいけない点がある。 それはへたをすると、これを前に置いておかないと不安で演奏が出来ない症候群になってしまう。
見なくても演奏できるのに、何年たってもやはりつい見てしまう。 まあ譜面を見ることは悪いことではないが、どうしてもアドリブに集中出来ない。 出来るならコードを覚えてしまった方が断然自由にプレイ出来る。
またもう一段進んであまりコードを考えず、ハーモニーを頭の中で鳴らしながらそれに乗っかってアドリブを歌う、これが本当に演奏していて楽しい。
昔はReal Bookという著作権無視のいやゆる1001という海賊版スタンダード曲集があった。
この海賊版は当然一般書店には無く、入手するには闇ルートかアメリカに行く人に買ってきてもらうしかなかった。 結構コードはいい加減だし、一部手書きで見るといかにも怪しげな本だったが、スタンダードを知るにはこの本しかなかったので、先輩からコピーさせてもらったりしてオリジナルはもうぼろぼろになっていた。
だが今はこのReal Bookは著作権をクリアして手直しをして合法的に販売されているようだ。
最近はi-pot やi-phoneでReal Bookをダウンロード出来る。 これがすごい! 即座に移調が出来るのだ。
それにマイナスワンにもなる。 プロでもこれをもっている人は多い。
歌伴で急に変なKeyに変わったりすると一番しんどいのはベースなので、特にベーシストは重宝しているようだ。
それにしても世の中は進んだもんだ、携帯電話でこんなことが出来るなんて誰が考えただろうか。
話は変わって以前古本屋に立ち寄った際、ふと目に止まったのが電話帳ほどの厚みのある「TheEncyclopedia of Jazz Guitar」という本である。 監修があの沢田駿吾先生ということなので中身を見てみると、これがなかなか面白いので早速手に入れた。
スタンダードの曲集ではあるがすべてギター用にアレンジされていて、曲によってはイントロ、エンディングが付いている。
まあこのまま実際に演奏することは無いが、な~るほどと思う箇所が色々出てきて参考になって楽しい。
190曲ばかり載っているが、これをアレンジするのは大変だったろな・・・
もう絶版になっているようだが入手の機会があればお勧めしたい一冊である。