【オキナワUFO】






沖縄の夜空に謎の光!?

それはオレ達ギターウルフが沖縄にやって来る前日の話であった。

「セイジさん夕べUFOで来たでしょう」

とは対バンのお兄ちゃんがオレに言ってくれた言葉だ。

オレをヒヤっとさせたその言葉はさておき、なんと!

1月23日の午後9時ごろ、那覇上空に約10個のオレンジ色の光が

漂っていたという。

それらは、上下左右に移動を繰り返し、約15分で消えた。

多くの人間が目撃して、翌日の沖縄タイムスにも掲載され、テレビ番組でも

放送されたらしい。

天文現象か、いやいや果たしてたぶん。

UFO!

宇宙科学ロッカーのオレとしては、そう思いたい。

小さい頃から超常現象やUFOに関しては人一倍興味がある。

そしてそれを科学的に突き止めたいと言う気持ちが強いのだ。

東京に帰って、那覇の謎の光の映像を見た。

確かに不思議だ。

でも、オレも一度東京で見ている。

その光はニュースにもなったから、他にも見ている人がたくさんいるだろう。

だが世界になると、このような謎の光の目撃例をあげればキリがない。

あれはいったい何なのか?

近くに行って、正体を見ようゼ。

なぜ、現れた瞬間にスクランブル発進をして突き止めてくれないのか!?

頼むゼ。

もしくは逆に宇宙人よ、あれだけでてくるのなら、もういいかげん、

「やあ!」とか「ウッス!」とか「ロッキンロール!」とか言いながら、

オレ達に姿を現せよ。

全くじれったいゼ。

早く宇宙との交わりが始まれば、地球上での争いなんて、

どっかに飛んで行っちゃう気もするんだが。

それにワープとかしてみたいのだ。

Hey!UFO!

と、ここまでは地球向けの話。




1/25()ギターウルフライブ当日。

サウンドチェックが終わり、ギター片手にステージを降りると、

そこにいた対バンのお兄ちゃんと握手を交わした。

「こんちわ、よろしく!」

すると、すれ違い気味に彼が、

自分達が沖縄に来る前日、那覇上空にUFOが現れた話をしてくれた。

直後、やばぁ!オレは一瞬目を光らせてしまった。

幸いにもサングラスのおかげで気がつかれなかったようだ。

オレはうつむいて目をしばたかせると、その彼の肩をポンポンと叩き、

楽屋裏の階段をポ~ン、ポ~ンと二段抜かしで上がり、

地下会場からクラブの裏に出た。

さっきまで明るかった町が、夜になりかけている。

点灯したばかりの町のネオンも、道を行き交う車のヘッドライトも、

薄暮の中、まだまぶしく感じない。

なのに、星がよく見えた。

オレはその星の夜空をグッと見据え、テレパシーを飛ばした。

隣の飲み屋から、沖縄の焼き鳥のいい匂いが、夜の空気に細い帯のように

漂っている。

ビビビビ、ビビビビビビビビビビ――――――――――――

テレパシーは地球を飛び出し、割と近い宇宙空間まで飛んだ。

きっと月の裏くらいかな。

「お前何やってんだよ、地球が後2周したら出てこいって言っただろう!」

「…………#$%&@:*…………」

「それに、10機のUFOがそれぞれ一文字一文字を担当してるんだから、

光速で動かないと、GUITARWOLFって読めないだろう!

上下左右に移動して漂うってなんだよ、最悪!」

「………………*+@@&%%$#&…………」

「もう今夜は出てこなくていいよ。一昨日の今日だから、

米軍にスクランブル発進されて写真撮られちゃうゾ」

「……………」

「じゃあ、オオカミ惑星のみんなにヨロシクな」

その夜、米軍は不思議な電波らしき物をキャッチしたとか、してないとか。

しかし、その解読まではいかなかったようだ。

Hey!UFO!




沖縄の夜、ギターウルフは飛ばして飛ばして飛ばしまくった。

そして勢い余って飛んだら、ちょっとだけ着地がうまくいかないところが

あったかな。

ありがとう、沖縄BABY!やっぱ沖縄は最高だった。