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2015-06-26 18:06:45

【真夜中のデスティニー】

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【真夜中のデスティニー】




居酒屋を出たら占い師がいた。

長い髪のお姉さんだった。

思わず、引き込まれる様に手相をだした。

一緒に飲んでいた連中が、千鳥足で机を囲む。

お姉さんは何も言わずオレの手を見た後、怪訝そうな顔で

オレと仲間を下から見上げた。




深夜の高円寺、人は暗闇にまばらで殆どが酔っ払いだ。

20代半ばの頃で、占いなんて初めてだった。

勢いで手を出したはいいが料金を聞いてない。

五百円くらいかと思ってそんな事を言うと、

お姉さんは少しあきれたようにオレの手を離した。

そしてきっぱり「二千円で見てあげる」

これでも安くしてると付け足されたので

「お願いします」と離された手を再びグッと差し出した。




深夜の風がその人の背後で吹いていた。

紙くずがカサコソ暗闇に転がっていく。

オレと仲間達に囲まれて、女の人がオレの手を持って言った。

「あなた相当頑固ね」

「そしてメチャクチャ長生きする」

ヘエ~、まあまあ興味深かった。

深夜の余興としてもなかなかわるくない。

でもなあ~んだと思った。

その占いはあまりにも平凡で、

20代半ばの、でっかい夢を見ている激しい魂には、

なんだか物足りなかった。

「近い将来、M78星雲から使者がやって来て、あなたは

ウルトラマンになるわよ」くらいの事を言われたかった。




占いの人に見てもらったのは後にも先にもこの時きりだ。

たまに番組とかで占い師にあったりするが、やんわり断る。

たかが余興だとは思っているが、たかが知れている気がして、

まあいいかと思ってしまう。

人は誰でも多面性を持っている。

強かったり弱かったり、頑固だったり優柔不断だったり、

潔癖だったり欲深だったり、

自分はこういう人だからと自分で自分を決めつけたり、

時には、自分の性格を延々と説明する人がいるが、

ちょっと違うように思う。

占い師はその部分を限定して言わなければならないし、

それもわかるので、まあいいかとなる。

運気が上がったり下がったりもそうだ。

もしそんな運気が見えたとしても、

かつて、地球を支配した恐竜チラノザウルスやブロントザウルスの

運気がどうだったろうと考えた場合、それがどれほどの物かと思ってしまう。




かといって占いを見るのは結構好きだ。

朝の番組で、自分の星座が一番だったら嬉しいし、

逆に一番だめなら、ふむふむ、今日気をつける事はこれかと思い楽しい。

雑誌なんかに書いてあったらだいたい目を通す。

かつて好きになった娘がいて、ある日雑誌の占いを見た時、

行くなら今しかないような事が書いてあり、

「おっしゃあーーー!」と気合いを入れ、つまずきそうになりながら

思いの丈をぶちまけたが、見事に撃沈した。

かつて流行った動物占いも面白かった。

オレはクロヒョウだった。

なつかしく思い、さっき最新版の動物占いをやったが、ウサギになったゾ。

なんじゃこりゃあ。

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2015-06-23 14:28:23

【ヒゲとボイン】

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【ヒゲとボイン】



夜の新宿で信号待ちをしていた。

交差点には少し風があり、原チャリにまたがる薄着のオレは

少し肌寒かった。

横断歩道手前に、白いスーツのOL風の女の人が立っていた。

風を気にして長い黒髪を向こう側の手で押さえている。

すると「ギョ!?」

何と!

見えるその人の鼻の下に、黒くふさふさしたナマズの様なヒゲが!

凝視する事、数秒。

だが、再度の風でヒゲと思われたのはパラパラと鼻から離れた。

なあ~んだ。

その人の黒髪だった。

それにしても一瞬ではあるが、本当にヒゲが生えている様に見えた。




「すげえ長い鼻毛がでちょうゾ」

高校の時、友達に出会い頭で言われた事がある。

なにゃあ!そりゃあ一大事とばかりに鏡を見ると、

微妙な長さの髪の毛が鼻の下に付いていた。

髪の毛にしては短く、鼻毛にしては長いが、付いている位置が絶妙で、

長い鼻毛がでているように見える。

「違うワイ、髪の毛じゃ!」

フンと鼻の下をこすった。




信じられないような見間違いがたまにある。

大笑いできたりできなかったり。

なるべく大笑い出来る方がいい。

今回の見間違えは、ちょっと笑い、高校の時の鼻毛の事を思い出し

交差点を抜けて行った。

尚、その女の人がボインだったかはわからない。

大好きな漫画家、故小島功先生のグレイトなネーミングを

使用させてもらいました。

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2015-06-18 15:54:38

【古墳からの使者】

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【古墳からの使者】





アパートの道を隔てた農家の上には小さな山があった。

ようく見ると、こんもり形よく盛り上がっていて、

それが古墳だと気が付いたのは、越してきてだいぶ経った時だった。

うちの田舎の山陰は、小さな古墳が多い。

気に留めていると、「あっ!あれ絶対古墳だ」という盛り上がりに

よく出くわす。




その古墳の下にあった農家は、実を言うとうちのアパートの大家さんで、

朝夕、チャリで通る時、目の前の畑で作業をするおじちゃん、おばちゃんに

よく挨拶をした。

二人とも愛想よく、麦わら帽の顔をこっちに向け、

「やあ」という風に片手をゆっくりあげて答えてくれた。

おばちゃんはそのうち、うちの玄関によく顔をだすようになり、

収穫されたばかりの野菜や、食べきれないもらい物をよく持って来て

くれるようになった。

あげると言う物をもらわぬ手はなく、こちらも喜んでもらった。

その頃のオレは超成長期、飯の量はかなりのもので、

それをおばちゃんもわかっているのか、

ある日、「あのお兄ちゃんは何でも食べるけん」

とおじちゃんに言い放って、こちらに渡って来る瞬間を見かけたこともある。

何でもと言う言葉に少し引っ掛かったが、

たぶん、たくさんという意味だろうと解釈していた。

だが、案外その意味が 「本気か!」と思える事があった。

季節ははっきり憶えてないが、梅雨のイメージがある。

やってくるおばちゃんの背後の古墳は、

さっきまで降っていた雨で少し濡れそぼり、上空は薄く霞みがかっていた。

「これ食べんかね」と玄関で手渡してくれたのは箱詰めの大福だった。

その時、家にいたのは自分ひとりで、

「ありがとうございます!」と

おばちゃんの背中に投げかけると、何個がガブリとほおばった。

白に黒餡が薄く透き通った大福が、夕飯前の腹には超ドンピシャで

甘くうまかった。

ところがもう一個と手に取った時、その至福がどんでん返しとなる、

かなりやばかった。

よく見ると、残りの大福の裏全部に青カビが密集していた。

「何でもったって、こりゃあないゼ!」と文句が浮かんでも

後の祭りで、とりあえずゲーゲーしたが、

その頃は、一度食べた物の吐き方なんか知らない。

マジに焦ったが、そのまま胃の中に納めたまま、胃に気合いを

入れていた。

その後、夕食を食べたかは憶えてないが、

とりあえずその夜は、何事もなかった。

手塚治虫の【火の鳥】で、医者が青カビを集めさせて

患者に食べさせていた場面を思い出し、

食べても何とか大丈夫なのだろうと、気持ちを落ち着かせた。




この時期、食べ物を食べる時は要注意だ。

裏側をよく見た方がいいかもしれない。

でも、間違って食べても心配ご無用!

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