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2015-03-04 17:27:55

【雛人形】

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【雛人形】



子供の頃、雛人形の飾り付けをよく手伝わされた。

母親の実家は山をいくつも持っていた相当なお金持ちだったらしいが、

祖父が誰かの保証人となり、戦後まもなく殆ど全ての財産を無くした。

全てが持ってかれる中、祖父は娘の為にこれだけはと雛人形を隠した。

だから母親にとって唯一残った雛人形は、格別な意味を持つものらしく、

飾り付けの際に、くるんだ紙を丁寧に剥がしながら、

毎度毎度、同じ講釈を子供達に聞かせた。

いろいろ言うだけあり、七段飾りの立派なものだった。

母親が言うには、古いもので相当高価な人形らしく、

あの頃自分は、家の中にひと財産でもある気でいたが、

今考えると、そこまでかどうかは怪しい気がする。

うちの母親は、何かにつけて大げさな人だ。

でも少し弁護すると、母親が感じている価値はそれくらい、

もしくはそれ以上のものがあったのかもしれない。

細かい細工を一つ一つ人形に施しながら雛壇に飾り立てて行くのだが、

それぞれに表情があり、お互いに口をききそうで

壇に並べながら、その雛壇で繰り広げられているかもしれない

人形達のドラマを想像して楽しかった。

学校から帰ってもその時期はなんだか部屋が特別で、

いるのは自分だけじゃなく、同じ住人のような気がしていた。

だが夜になるとそれが変わる。

昼間の親しみが遠のき、雛壇の裏に写る影と共に、

不気味さが部屋の片隅に出現しているようだった。

夜、トイレに行く時があったらそりゃあ大変で、

雛壇の横を通る時、どうもこちらを見ているようで薄気味悪く、

なるべく見ないようにして通った。




今では33日になると「そうか今日は雛祭りか」と思う程度だが、

幼い頃、雛祭りの雛人形が心に与えた影響は案外と小さくない気がする

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2015-02-20 15:57:58

【SHEENA IS PUNK ROCKER】

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【SHEENA IS PUNK ROCKER】



下北沢で待ち合わせのバーガー屋に入ると

先に来ていたドラムのナリちゃんがある席を指して言った。

「今までそこにロックが座っておられました」

「エッ!?」と聞くと、

ついさっきまで、シーナ&ザ・ロケッツのシーナさんが

子供と一緒に座っていたらしい。

有名人にそんなに反応する方ではない。

ましてやロッカーなら、自分がかっこいいと思わなけりゃあ

歯牙にもかけない。

だが、シーナ&ザ・ロケッツなら話は違う。

掛け値無しの本物のロックンロール!

さぞかしロックの匂いがプンプンその辺りに漂っていたに違いない。

ギターウルフを結成してまもなくの頃だった。

ギターもまだまともに弾けず、

自分達のロックが確立されてなく、曲もなく

何をどう爆発させればいいのかさっぱりわからなかった。




1990年、遂にザ・クランプスが初来日した。

ギターのポイズンアイビーに凄まじい衝撃を受けた。

赤いビキニで、魔女のようにギターを弾く様子にオレの目は釘付けだ。

自分達の曲でレッドロカビリーという曲があるが、

それは、この時のポイズンアイビーにインスパイヤーされてできた。

その公演終了後だ、ホールを出たところで一人の派手な女ロッカーを

見かけた。

シーナさんだ、横には鮎川さんがいた。

彼女の黒々しく獅子のような豪毛が、フロアーに盛り上がり、

それが赤い髪のポイズンと対照的で、

「ああそうだ!日本にはこの人がいる」

その時そんな風に思った。

彼女は、ニューヨーク、ロンドン辺りの不良パンクと渡り合える

日本人唯一の女性ヴォーカルだった。

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2015-02-13 15:08:45

【ロック味噌】

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【ロック味噌】










オレの本能はパンクロックのビートで目覚めた。

東京に出てきて、ギョッと目をむいた連中がいる。

田舎には絶対にいなかったカラスの様な奴ら。

黒衣装に身をつつみ、アイシャドウが黒く悪魔的で、

不敵にニヤっと笑う。

まさにコンクリートに棲息する都会的な不良、

それがパンクスだった。

しかしガキは、反抗的な匂いに敏感だ。

最初は恐れいぶかしんだが、次第に興味を持つ。

その興味が決定的になったのが、

裏地がタータンチェックのゴム付き革ジャンで乗り込んだ

新宿ツバキハウスだった。

毎週火曜日におこなわれるツバキハウスロンドンナイト!

知る人だけが知るパンクロックが爆発する夜会。

そこに田舎者が勢いをつけて突っ込んだ。

するとフロアー中、黒カラスの群れ、おまけにニワトリ、

孔雀の様な奴らまで、

こいつらいったいどこから這い出てきたのだ!?

ディスコ全盛の時代だった。

とにかくいろんなディスコに行きまくった。

しかしツバキハウスのロンドンナイトを知ってから、

他のディスコでは物足りなくなる。

フロアーで爆音のシャワーがオレの脳味噌に浴びせられ、

上下のビートが心臓に直撃して、骨関節がパンクになった時、

オレも黒カラスの一員になっていた、かな。

髪の毛なんて真っ白に染めちゃったよ。






味噌酵母にロックを聞かせた味噌が発売と言うニュースを見た。

おもしろい!

こんな発想オレ好きだ。

人間がなるのだから、酵母も間違いなくロックになるだろう。

オレもかつて、自分がやっていた番組で、ビール酵母に

オレのロックを聞かせて熟成させたことがある。

横浜の地ビールを作る会社の社長の申し出を受け、

ギターをひっさげて乗り込んだ。

その建物の中は、レストランと工場が透明のガラスで仕切られていた。

ガラスの向こうのレストランでは、外国人の金髪の美人のお姉さんが

アルバイトで働いている。

さすが横浜!

あんぐりと、そのガラス越しに見えるそのお姉さんに気を取られながらも、

オレはマーシャルから発せられるオレのギターの爆音を

ビール酵母に浴びせ続けた。

「ロッキンロ――ル!」

エッそれで、味はどう変わったって?

フフ、それはどうだろう。

なんちゃって、もちろんロックだ!

その時間に出来たビールだから、限定で数十本。

半分くらいはオレが飲んだが、残りはすべて番組抽選で

応募してくれたKIDSに送った。

それを飲んだ連中は、ことごとくロックになったと聞く。

めでたし、めでたし。











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