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2016-07-27 22:55:50

【サファイヤCITY】

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【サファイヤCITY】



松江に越してきたのは小5になってすぐの時だった。

かなり慌ただしく、母親に引っ越しを告げられたと思ったら

住んでいた広島の家は瞬く間に段ボールの館になり、

そしてすぐにがらんどうになった。

友達とゆっくり別れる暇もなく出発して、

気がつくと親子5人の乗用車はでっかい湖の畔にいた。

宍道湖だ。

新たな新居はその宍道湖の側に立つ市民病院の裏だった。

古い家が並ぶ通りの一軒にでっかい引っ越しトラックが駐まっていて、

ご近所の人垣が新しい引っ越し者を見ようと所々に出張っていた。

いつの間にか母親がトラックの荷台に上り「さあ持ってけ」とばかりに

両手を下から仰ぐように動かしていて、

指図されるトラックの運ちゃんや父親が次々と荷物を運び入れていた。

当時松江に住んでいた母親の弟の昌男おじちゃんも駆けつけてくれて、

なんだか我が一族が、鳴り物入りでこの町にやってきたような錯覚を

持たせるような光景だった。




新しい小学校は歩いてすぐの宍道湖の畔にあった。

学びやが湖に映る様子はいかにも涼しげで、

さらに対岸から割合近い場所にちょこんと見える嫁が島は

何とも形良く、小学校の理想とも言える立地条件だった。

とは言ってもガキにはその良さはわからない。

それよりも気になるのは新しい友達だ。

自分は転校を何度かしているせいか、

自分という転校生に対する好奇な目を楽しむふうがあった。

だから注がれる好奇の目のステージの上で新たな自分を設定して

振る舞う、な~んてそこまでは考えるが、結局すぐにボロがでた。

その出たボロクズに興味を持ってくれる人がいてくれ

気がつけば友達になっていた。

やがて子供はすぐに言葉も同じになる、

そして昔からずっと知っていたかのように遊び、

自然とみんなの色に混ざっていった。

が、しばらくしたある日ハッとした事がある。

青空に初夏の風が吹く運動場の片隅で、

半ズボン数人が土にあぐらをかき、プロ野球の話をしていた時だ。

オレは巨人ファンだ、阪神ファンだ、または広島ファンだとか

チーム名が飛び交う中、誰かの口からこんな言葉がフッと言い放たれた。

「松江に球団ができたらどげする?」

「できるわけないがや」と誰かの軽い嘲笑の後、

「でもできたらやっぱりその球団のファンになる」とそいつは強く出た。

結局「そりゃあそうだ」と賛同の気持ちがその場所を覆うが、

自分ひとり、つんぼさじきに追いやられた感じがして

フ~ンとみんなの話を聞いていた。

みんなの土地を愛する力強さがなんだかまぶしかった。

かといって自分にもないわけではない。

3まで生まれ育った長崎だ。

だから高校野球はいつも長崎を応援してした。

長崎海星高校から化け物と言われたピッチャーのサッシ-が出た夏があるが

その時はひとり盛り上がっていた。

しかしこの町で遊び、ケンカして初恋もして、気がつけば

おもりがゆっくり片側にすべっていくように比重が変わっていた。

それに気がついたのも高校野球だった。

子供の頃のお盆と言えば、両親の田舎山口に行くのだが、

その帰省中、誰かの家に立ち寄ったことがある。

兄弟3人は車に残され、随分長い間2人を待っていた。

ラジオからは高校野球が流れ、アナウンサーの声が熱を帯びている。

退屈なまま聞いていると、なんと島根の浜田高校だった、

対する高校は、その頃から強豪だった天理学園、

島根が勝てるわけねえと言う気持ちで聞いていたが、

激しい接戦を制して浜田が競り勝った。

やった-------!

その時自分は激しく興奮して、爆発するように喜んだのだが、

その自分に驚いた。




浜田と天理の試合で、自分の心が松江という町にズブリと深く入っている

事に気づかされたが、実はそれ以前、無意識ではあったが、

この町を特別に感じる始まりのような出来事があった。

その時もお盆の帰省で、この時は山口から松江に戻るとこだった。

山口-松江間は車で6,7時間かかる、後部座席の子供には苦痛だ。

いつも一分一秒でも早く着く事を願った。

到着は必ず夜遅くなり、厭世気分が闇の中にじっと溜まる。

やっと出雲を過ぎた辺りで気持ちは楽になってきて、

そろそろかな?と9号線を走る夜の窓に目を懲らして見た。

すると遠くにボーと何かが光っているので

思わず窓に手をかけ顔をくっつけるように見ると、

黒く静かに広がる宍道湖の向こう岸の町が、青く発光していた。

松江の町だった。

オレはこんな美しい町に住んでいるのか!?




誰の心にも忘れられない情景があるだろうね。

ましてや故郷の景色はその人にとって特別だ。

今でもあの夜見た松江の夜景は不思議オーラを持って迫ってくる。

それはたぶんよそ者だった自分に、松江がかけてくれた

魔法だったんじゃないかと思っている。




♪サファイヤCITY 闇に浮かぶ、Mystic LAKE サファイヤCITY


 

 

 

 

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2016-05-26 17:48:53

【ニュー広島原爆ドーム】

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【ニュー広島原爆ドーム】




数年前、姪の結婚式で広島に行った。

披露宴会場は宮島近くのホテルであり、姪夫婦の心遣いで、

式の後、親戚一同そこに泊まった。

でっかいホテルで1階にコンビニがありそこで買い物をしていたら

姪の婿のお父さんに会った。

お互いお酒とつまみが目的で、自分とは結構歳が離れていたが、

酒飲みはこういうタイミングのこんな場所で会えばもうおしまいだ。

姪夫婦の結婚をさらに祝おうという気持ちも相まって

「部屋飲みでもしますか!」

とお父さんの兄弟2人も加わり自分の部屋で酒盛りが始まった。

珍しい取り合わせのせいか、お互いの盛り上げ魂に火がついて

飲みは深夜まで及び、最後は部屋の外まで千鳥足が千鳥足を見送った。

翌日、まだ眠い(まなこ)のまま「おはようございます」とみんなで朝食を済ます

やがてホテルの前で解散となった。





このまますぐ東京に帰るかどうしようかと思ったが、

ツアー以外で広島に来ることもなかなか無く、

まだ午前中だと言う事もあり、やはりなぜか原爆ドームに向かった。

かつてギターウルフが初めて広島でライブをした時、

その昼間にメンバー等と訪れて以来だ。

あの時は、あまりのショックでもう二度と来ないと思ったが、

それでいてそのショックが薄れていくのも気にかかりまた来てしまった。





キノコ雲がでっかい爆発音と共に360度のパノラマに映し出される。

「1945年8月6日、広島で何が起こったか」

音楽が流れアナウンスがされる。

資料館は以前と違いすっかりインターナショナルな雰囲気にリニューアルされていた。

そのせいか外国人の数がかなり多い。

入る前に背の高い外国のカップルが資料館の足元にペタリ崩れるように

座っていた、涙ぐむ女の人を抱えながら彼氏も爪を噛みながら

遠くの方を眺めていた。

わかるよ、オレも以前見た後メンバーと共にそんな状態だった。

やはり心して見なければという思いを強くして館内に入った。

だが「う~ん!?」

次第に戸惑う気持ちが心に広がる。

十何年前に受けた衝撃がこない。

綺麗にディスプレイされた陳列物、原爆ドーム天井部分のモニュメント、

所々でアナウンスされる丁寧な説明、瓦礫の中を歩くようなデザイン、

すべてに洗練されていたが、その分衝撃が薄まっている。

伝わり方が強くない。

資料なのにアトラクションの要素が強く入っていると思った。

思えば入り口のパノラマに映し出される原爆の映像もそうだ。

最初は素晴らしいと思えたがどうも違う。

リニューアルの工夫のすべてが恐怖を和らげるクッションとなっていて

目の前の展示物が以前より迫真を持って迫ってこない。

昔の資料館は地味だった。

その分強烈だった。

いきなり登場する人形が怖かった。
なんだか全体がカビ臭い感じもしてジメジメしている雰囲気だった。

しかしあれこそが生の恐怖を伝える最良の方法だったのかもしれない

失礼!広島市はより多くの世界の人達に原爆の悲惨さを伝えようと

決死のリニューアルだったと思うが、自分はそう感じてしまった、

申し訳ない。

でも昔の資料館の素朴さを受け継いで欲しかった、世界の為に。




姪夫婦は今東京に出てきている。

先日、婿さんのお父さんとお母さんが広島からやって来られて、

新宿のレストランでみんなと会った。

あの夜の絆のせいか、会った瞬間から絶好調にお酒をガブガブいった。

終いにはすべてごちそうになり、またもや帰りは千鳥足だ。

お父さんとお母さんは翌日、広島に帰っていかれた。

広島は自分にとっていつも特別だ。

かつて小学校の頃に住んでいたと言う事もあるが、

強烈な衝撃を受けた場所でもある。

その衝撃が多くの人達に伝わることを願いたい。







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2016-05-11 19:13:36

【「フジヤマシャウト」読者の皆さまへ】

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【「フジヤマシャウト」読者の皆さまへ】




「フジヤマシャウト」をご愛読頂きありがとうございます。
今日は皆さまへお知らせがあります。

「フジヤマシャウト」が2016年6月9日(ロックの日)に
リットーミュージックより書籍化されることになりました。

今から遡ること14年(?)程前、当時キューンレコードから
週一回配信していたメールマガジンにて連載をして頂きたく
渋る(笑)セイジさんを口説いて始まった「フジヤマシャウト」ですが
その日以降、メールマガジン配信が終了するまでの13年近く、
ほぼ毎週(お休みしたのは13年間でたぶん3回だけ)発せられる
セイジさんからの熱いシャウトを皆さんにお届けしてきました。

途中、メールマガジンからブログへと発信形態は変わったものの
セイジさんのシャウトは更なる進化を遂げますますパワーアップ!
そのクオリティの高さに、書籍化を望む声が上がっておりましたが
この度、満を持して「昭和UFO」として発売されることとなりました。
400を超えるシャウトの中から選りすぐりの89篇を抜粋・再構成した
まさに「ベストオブシャウト」です。ご期待ください!!

*書籍化に伴い、「昭和UFO」に掲載されているシャウトに関しては、
5月末をもって一年ほどブログでは非公開とさせていただきます。
ご了承ください。


ここで紹介されてます。

http://www.rittor-music.co.jp/books/15317128.html


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