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2014-04-18 15:15:07

【カビのイナズマ】

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【カビのイナズマ】






もういい加減やばい!

もう何週間、放置しているだろう?

オレはしぶしぶ流しに近づいた。

そして、上から恐る恐るのぞくと、蛇口の下で

フタが閉まった鍋が置いてある。

最後は何を作ったけ?

フタに手を伸ばし、取っ手をつまむ。

瞬間、オレは顔をしかめながら無意識に鼻孔をキュっと閉め、

胸の奥にわずかな気合いを溜め、「よし!」思い切ってフタを開けた。

心の中で叫ぶ「ギエエエーーーー!」

鍋中、白カビ。

ミニチュアのカビジャングル。

丸々に育っている胞子がゆらゆらこっちを向いて、今にも襲われそうで、

あわてて蛇口を開け、水を鍋に流しっぱなしにした。

くわばら、くわばら。




上京して数年の頃、渋谷の風呂無しアパートに住んでいた。

ある時、自炊後の鍋を洗わず、何週間もそのままにしていた。

すると白カビの大豊作だ。

みかんやお餅の青カビ、お風呂の黒カビにはなじみが深いが、

あの時の白カビにはゾッとした。




美女を消すカビ。

昔の番組、怪奇大作戦のタイトルのようだが、その美女とは

髙松塚壁画に書かれた美女の事だ。

その壁画の絵がカビによって消えかかっているらしい。

カビには病気を治すペニシリンや発酵食品などいろんな効用があるが、

まだまだナゾが多いという。

そのナゾらしきカビのひとつにオレは一度出会った事がある。




20代中頃、アメリカを旅した。

最後の場所ロサンゼルスで、ジョニーサンダースが着ていた

同じモデルの革ジャンを古着屋で手にした。

襟が白のダブルの奴だ。

結構高い、でもどうしても欲しく、ローンで何とか買った。

少し有頂天で日本に持ち返り、常にどこかに飾るように部屋の

目立つ場所にかけていた。

そんなある日、町の洋服屋の外に出してあった木製のショーケースを

みつける。

交渉してもらい受け、うちのベランダで銀のペンキを施すと、

革ジャンをその中にかけた。

そしてロックに関する重要なアイティムを次々と中に入れ、

最後に照明を下から照らし、革ジャンを光輝かせた。

やったゼ!ロック受電BOXの完成だ。

次第に、それを着るという肝心の目的より、ショーケースの向こうに

ある事が重要になっていく、むろん特別な時以外はそれでいい。

だがしばらくたったある時、この革ジャンを着るべく特別なライブがあった。

少し重くなったショーケースを動かし、裏から中の必殺の革ジャンを

思い切って取り出す。

そして勢いそのまま、肩からその革ジャンを羽織る。

すると、するとだ!!!

襟元にビリビリビリ、電気が走ったから驚いた。

何じゃ!?

思わずオレは革ジャンから腕をぬき、襟元を見た。

するとそこには緑色のカビが生えていた。

電気の原因はカビであった。

オレはそれを雑巾でぬぐい、また着た。

そしてその夜オレは、もちろん、受けたカビ電気もヨロシクで

ロックパワーを放電しまくった。

無精するとカビが生える、ゾッとするし、感電する。

気をつけるべし。

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2014-04-11 14:54:28

【おカッパぶるーす】

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【おカッパぶるーす】




小学校入学前だったと思う、初めて床屋に行かされた。

山の上の県営住宅から、一人でふもとの神社まで下り、

その神社の、道むこうにあった床屋のドアを開けた。

白シャツの親父さんがいて、待たされたかどうか忘れたが、

とにかく椅子に座らされ、どう切るかを尋ねられた。

オレはそこで、「おかっぱ」と答えている。

「おかっぱ」がどんな髪型か知らなかった。

しかし「おかっぱ」のみが、知っている唯一の髪型の専門用語だった。

今、あの頃の古い写真を見ると、写真に一緒に写っている女の子は、

自分の妹も含め、決まってこの「おかっぱ」であった。

髪型というと「おかっぱ」という言葉が飛んでいたに違いなく、

自分はそれを発したにすぎない。

床屋の親父さんもとまどったろう。

何か一言二言、オレの注文を撤回させるべく言葉があったのを憶えている。

だがオレは、ひたすら頑固に「おかっぱ」という言葉を発した。

きっと、初床屋に、緊張と警戒があったのかもしれない。

床屋のでっかい鏡に、ちょっと上気したてるてる坊主と、その上で、

櫛とハサミを手に、ちょっと首をかしげた、いぶかしげな表情が映っていた。



家に帰り、母親に笑われた。

だが、父親は笑わず、次の日の朝、車での出勤途中に、

その床屋に連れて行き、店の主人を起こし、手直しをさせた。

たぶん、「私もおかしいと思ったんですよ」って会話があったに違いない。



髪を切ってもらう作業は、なかなか微妙だ。

自分ではかなり大きな変化で、「ああ失敗」なんて思っていたりしても、

周りは全然気が付かなかったりする。

「そんなもんだ」と今なら思えるが、多少、深刻だったのが、

特に小学生の後半から中学の頃だった。

その頃、床屋ではいつも微妙な感じを味わった。

「あの親父、オレが鏡に向かって不機嫌な顔してるのに、

かまわず切りやがって」

なんて怒っていた友達を思い出す。

ちょっとおかしく、今なら、「親父に言えよ!」ってとこだが、

そうもできない事もわかる。

あまりくどくど言うのも男らしくなさそうではばかられ、

まあ、察してくれという空気の中で、

無情にも自分の意に沿わない髪型が鏡の中でできあがっていくのは、

何とも、周りから見れば滑稽だが、当の本人からすれば、

苦虫を噛みつぶしながら、あきらめたり、ふてくされたりと、

ちょっとした苦行だったかもしれない。



そういう店主との駆け引きがいやになった訳じゃないが、

今じゃ、オレはもっぱら自分で切る。

20代後半のある時「そう言えば、原始時代は床屋なんてなかった!」

と思った瞬間、床屋に行くのをぷっつりやめた。

髪なんてもともと長くなれば、石とかで適当に切っていたはずだ。

わざわざ床屋に行くのが面倒くさくなった。

それからは結構、気が楽だ。

伸びたなと思った時に、適当に切ればいい。

丁度それから何年かして、母親から電話があった。

「美容室の雑誌にあんたが載っちょったがね」

聞くと、母親が美容室で見ていた雑誌にオレの写真があり、

オレの髪型の切り方の解説と、だいたいの費用が書いてあったそうだ。

いやいや、なんとも、申し訳ない。




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2014-04-04 14:39:30

【チェーンアクション】

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【チェーンアクション】





自宅近辺では自転車に乗る。

結構古くなった自転車で、ある日、段差をガタンと走ったら、

チェーンが外れた。

マジかよ!と自転車を降り、サドルに腹を乗せ上から覗き込む。

そしてチェーンをギヤにかけながら、ペダルをカラカラっと廻し

チェーンをハメた。

オイルで汚れた指先をこすり、チェーンをハメるなんて久しぶりだと

思っていると、ある思いが頭をよぎった。

チェーンが外れた時、一瞬で直せなければ、男じゃないゼ!




小1で買ってもらった自転車は、チェーンが外れると大変だった。

チェーンは鉄のカバーで覆われていて、それがビスで止められている。

中でチェーンが外れたりしたら、そりゃ大変で、ペダル付近をビスで開け、

そこの穴からドライバーを差し込んでガチャガチャやって、やっとこさで

ハメた。

こんな鉄のカバーいらねえんだけどな~っと子供心に思っていると、

数年後、今のようなチェーンむき出しの自転車を買ってもらった。

ドライバーを突っ込んでさんざん苦労した経験からすれば、

そいつのチェーンハメなんてオチャノコサイサイだった。




大林宣彦監督の【さびしんぼう】という映画で、こんなシーンがあった。

暗くなった夕方、高校生の男の子が、自転車のチェーンが外れて

困っている女子高生に出会う。

よく見るとその子は、男の子がずっと前から憧れている女の子だった。

その時、男の子は「奇跡が起こった!」と頭の中で叫ぶ。

見ながら自分も思った、その男の子は数分だけヒーローになれる瞬間を

手にしたと。

それぐらいチェーンハメは、女の子は苦手で、男は得意と相場が

決まっている。

まあ、オレの学生時代にはこんなタイミングは全然なかったけどネ。

でも今からでも遅くはない。

手ぐすね引いて待っているのさ。

って何を!?女子高生がチェーンを外して困っているタイミングを!?

いやいや、まさかまさか、そこまでは。

でもいつでも準備OK!

チェーンが外れれば一瞬で直します。

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