Living In America ジェイムス・ブラウン | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20140930JamesBrown

 ◎Living In America
 ▼リヴィング・イン・アメリカ
 ☆James Brown
 ★ジェイムス・ブラウン
 released in 1985 from the Soundtrack Album ROCKY IV
 2014/9/30

 
 今回は、僕が初めて聴いたジェイムス・ブラウンの曲。

◇ 
 
 今週は「鷲の曲」を上げられませんでした。

 わがフィラデルフィア・イーグルスは、敵地に乗り込んでのサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦。
 
 試合結果

 イーグルス 21-26 フォーティナイナーズ

 今回は前半はリードしていたのですが、後半は無得点に抑えられ逆転負けしました。
 これまで3試合逆転勝ちを続けていた反動が出たのでしょうか・・・

 QBニック・フォールズが今回は不調、パス成功率が5割を切ち、パス獲得ヤードも200ヤードに届かず、インターセプトも2つ喫した。
 これらはみな、多分キャリアで初でしょう。

 おまけにエースRBのルショーン・マッコイがこの試合ランわずか17ヤード。
 昨年16試合で1500ヤード走った人、と書けばいかに不調だったかがお分かりいただけるかと。
 まあ、人間がやることだから好不調の波があって当然ですが、それにしてもという数字。
 相手がラン対策を立てて臨んだのでしょうね。
 ただ、マッコイは今年は本調子ではないのか、4試合でまだ192ヤードしか走っていません。
 単純計算では16試合で800ヤードにも満たないということになってしまいますが、ここはひとつこれからの奮起に期待です。

 イーグルス、来週は、やはり僕が応援する6番手くらいのセントルイス・ラムズとの試合。
 ラムズは今週が休みでここまで1勝2敗、休み明けでパワーがみなぎっているかもしれないけれど、まあ地力があるチームではないので、イーグルスここは取りこぼしがないようにしておきたい。
 と書いて、やっぱり応援するチーム同士の試合は複雑だなあ。

 なお、サンフランシスコ・フォーティナイナーズは、ビートルズが最後のコンサートを行ったキャンドルスティック・パークに昨年限りで別れを告げ、今年から供用されたリーヴァイス・スタジアムでの初勝利となりました。
 つまり、イーグルスは歴史に名を残したわけか・・・
 

 
 Living In America ジェイムス・ブラウン

 さて、今回も鷲の曲を上げるつもりでいたので、敗戦で取り乱してしまいました。
 というのは大げさですが(笑)、でも、じゃあ何を上げようかと1日迷い、この曲にしました。

 といって、まったくフィラデルフィア・イーグルスから離れたわけではない。
 映画『ロッキー4』のサントラからということで、そもそもロッキーがフィラデルフィアが舞台でもあり、この曲のビデオクリップにも映画のシーンが挿入され、フィラデルフィアの街を見ることもできますからね。

 この曲は僕が初めてヒットチャートで聴いたジェイムス・ブラウンの曲。
 という人は同世代では多いのではないかな。

 ジェイムス・ブラウンという人を知ったのは、この曲より前、高校1年の時にテレビで放送された映画『ブルース・ブラザース』でした。
 という人も案外多いかもしれない。
 JBは、ジェイクとエルウッドすなわちジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが教会で光を見てバンドを始めることになる、その教会でゴスペルを歌う牧師の役柄でした。
 余談ですが、ゴスペルというものを僕が具体的に理解したのもこの映画のそのシーンだから、僕もそこで光を見たわけですね。

 『ブルース・ブラザース』は、ロック人間だった僕にとってのソウル原初体験のひとつといえる、大切な、思い出深い映画ですね。
 という人も、ままいらっしゃるかもしれない。

 『ロッキー4』のサントラは当時LPを買いました。
 記事用に出して来ようと探したのですが見つからず、やむなくいつも通りCDと犬との撮影になりました。
 
 これ以外のJBの音楽は、二十歳を過ぎて、CDの時代になり、優れた編集盤THE CD OF JBを買って初めて聴きました。
 この曲が入っていないかと思いましたが、入るはずもなく、そもそもレコード会社が違うし。
 しかしそのCDは素晴らしく、今でも車で聴いています。

 それを聴いてから、Living In Americaはエンターテイメント的要素が強く、JB本来のリズム感ではない、ずいぶんとまっすぐな曲なんだなと思いました。
 そりゃそうですよね、映画の中でもショーで実際にJBが歌うシーンに使われているのだから。
 
 この曲は後に買った2枚組の編集盤には入っていましたが、その中で聴くとこれだけ妙に浮いた感じがしました。
 音作りもいかにも80年代だし。
 まあ、ありていに言えば、JBらしくないのかもしれない。

 でも、10代の若者にはJBがどんな人であるかが伝わってきたし、新しい音楽を聴いて古い音楽を知るきっかけにもなったことには今でも感謝しています。

 かの有名な「マントショー」も観ることができたし、JBの軽やかなステップには驚いたものです。

 とにかく、今でも不意に口ずさむことがある大好きな曲には違いありません。
 
 曲の面でいえば、サビで3回目にLiving In Americaとコーラスで歌う部分のバックに入ってくるホーンの旋律が好きで、そこは歌ではなくその音を口ずさむことがあるくらいです。



 この曲、実はNFLとも関わりがあるのです。
 いや、関わりというと曲自体が関係するという意味になってしまうけれど(実際にどこかの会場で流れることはあるでしょうけど)、僕にとっては、です。

 曲の中で一度しか出てこない中間部=ブリッジの部分でJBがアメリカの都市名を連呼してゆきますが、それらすべての都市にNFLのチームがあるのです。
 正確には「あった」ですが、詳しくは順を追って説明します。


・New Orleans = ニューオーリンズ・セインツ
 第4週まで1勝3敗
 プレイオフ常連チームですが、今年はディフェンスがうまく機能せず今のところ不調。
 今後どう立て直して来るのか、セインツは応援するチームのひとつですが、期待と不安が入り混じっています。

 ニューオーリンズが最初に出てくるのは語呂というかライム(韻)の問題かもしれないですが、音楽の都だから最初というのはうれしい。
 余談ですが、レッド・ツェッペリンにRoyal Orleansという曲がありますが、何やらフランスに関係があるらしいということは分かりました。
 

・Detroit City = デトロイト・ライオンズ
 第4週まで3勝1敗
 意外とといっては失礼だけど好調。
 ただし、ディフェンスが意外と頑張っている反面、ハイパーオフェンスがまだいまいちなのが気がかり。
 そして、昨年はあと一つ勝てばプレイオフ進出というところからまさかの4連敗でシーズンが終わったという過去もあるので、まだ分からない。
 何より同地区の強豪グリーンベイ・パッカーズがまだ本調子ではないというのもあるし。

 デトロイトはジャーニーのDon't Stop Believin'の歌詞にも出てくるし、何よりモータウンもある、やはり音楽都市ですね。
 ここで"City"がついているのも韻の関係でしょう。


・Dallas = ダラス・カウボーイズ
 第4週まで3勝1敗
 イーグルスの同地区ライヴァルなので、どうかお手柔らかにと思うのですが、意外と好調。
 下馬評は低く見られていましたから。
 だけどダラス・カウボーイズは日本では49ersの次くらいに人気があるのではないかな。
 90年代、僕が観始めた頃は強かったからなあ。
 今年は要警戒チームとなりました。

 ここで出てくる都市は、歌詞の文脈からするとお金を稼げる場所なのだと思いますが、ダラスはやはりアメリカではそうだと認識されているのでしょう。
 ドラマもありますよね。
 ここではJBが「だぇらぇ~す」と発音するのがなんだかかっこよくて、当時よく真似をしました。

 
・Pittsburgh P.A. = ピッツバーグ・スティーラーズ
 第4週まで2勝2敗
 先週は昨年12勝4敗だったカロライナ・パンサーズに勝ったかと思うと、今週は今年まだ勝っていなかったタンパベイに負けたりと、実力のほどがつかめない状態にあります。
 主力選手の高齢化が昨年辺りから問題になり、まだ更新が上手く行っていないのかな。
 しかしスーパーボウル6回といちばん勝っているチームだけに、伝統からくる底力はありそうです。

 ここで"P.A."とつけているのは、チャック・ベリーのSweet Little Sixteenから続くロックの伝統でしょう。
 もちろん韻の問題もあるでしょうけど。
 ちなみに"P.A."ことペンシルバニア州にはNFLのチームが2つあって、ピッツとわがイーグルスです。
 でも地図を見ると、フィラデルフィアは海岸近くでピッツバーグは五大湖の近くと離れていて、イメージ的にも違うように感じます。


・New York City = ニューヨーク・ジャイアンツ、ニューヨーク・ジェッツ
 ジャイアンツは第4週まで2勝2敗
 昨年は開幕5連敗も結局7勝まで盛り返したように、地力があるので、同地区ライヴァルとしては気を抜けません。

 ジェッツは第4週まで1勝3敗
 勝つ試合は強いと思わせるけれど勝ち星がなかなか上がらない不思議なチーム。
 オフェンス、ディフェンスどちらも問題が多すぎるようですが。

 ところで、実はニューヨークにはNFLのチームはありません。
 どちらも本拠地としているニュー・メドウランド・スタジアムはニュージャージー州にあります。
 まあ「東京ディズニーランド」と同じですね。
 しかし、ここでは"City"と言っているのであの摩天楼の大都市のことを指しているに違いないのですが、ニューヨーク州にはバッファロー・ビルズがあります。
 ジョン・ボン・ジョヴィがオーナーに名乗りを上げたチームですが(結局地元のNHLチームのオーナーが買収することで決着)、ニューヨークのNFLチームといえばビルズが正しいのではないか。
 なんて、アメリカ人もそうは思わないでしょうね。


・Kansas City = カンザスシティ・チーフス
 第4週まで2勝2敗
 僕の弟がいちばん応援するチーム、僕自身もイーグルスの次に応援する3チームのひとつ。
 だから毎週月曜か火曜には弟と戦力分析の話で盛り上がります。
 今週はなんと、マンデーナイトでニューイングランド・ペイトリオッツに勝ちました!
 パッツは21世紀に入って5回スーパーボウルに出て3回優勝している強豪ですが、今年は不調なようで2勝2敗、でもKCも1勝2敗だったので、まさか勝てるとは。
 イーグルスが負けた分、今週はこれで盛り上がれそう(笑)。
 KCの話はもっとしたいのですが、そうだ、KC応援記事も作るかな。

 カンザスシティといえば、そりゃもうビートルズですよね。
 もちろん僕もその都市名はビートルズで知りました。
 なお、厳密には、ビートルズは、ウィルバート・ハリスンのKansas Cityとリトル・リチャードのHey Hey Hey Heyをメドレーとして歌っています。
 ここもロックの歴史という観点ではそれを意識していると想像するのですが、JBが自分で歌詞を書くならこれは入らなかったかも。
 ところが、カンザスシティというのはちょっとばかり複雑でして、カンザス州という州がありそこにまずカンザスシティがある。
 しかし、ミシシッピー川の対岸のミズーリ州にもカンザスシティがあり、NFLのチームの本拠地アロウヘッド・スタジアムはミズーリ州の方にあります。
 でも、川を挟んだ対岸だし、アメリカは車社会だから、カンザス州でも応援されているのでしょうね。
 もひとつ、カンザスシティって日本人にはイメージが湧かない都市だと思いますが、僕が観た何かの映画、ヒッチコックだったかな、モノクロで戦前のものだったと思うけれど、そこで、田舎の女性が大都市に出て働くという設定になっていて、行く先がカンザスシティでした。
 そうか、カンザスシティは中西部の大都市で活気があるんだ、とそれを観て思いました。
 まあだからポール・マッカートニーも行きたいと歌うんだな(笑)。
 その映画を観たのはこの曲よりかなり後でしたが、そうか、だから、お金を儲けるという文脈のここで出てくるんだと納得しました。


・Atlanta = アトランタ・ファルコンズ
 第4週間まで2勝2敗
 一昨年は地区優勝、昨年は最下位、今年はどうかと見ていたのですが、今のところ強いのか弱いのか分からない。
 勝った相手のひとつがセインツで、セインツに勝ったんだから強いのでは、と最初は思ったのですが、セインツが強いのかどうかも分からなくなってきたので。
 いずれにせよこの地区はカロライナも含め混戦になるでしょう。

 アトランタといえばやっぱりR.E.M.かな(厳密には彼らはその郊外の出身ですが)。
 オリンピックが行われたことでも知られていますね。
 CNNの本拠地がありますよね、だから南部の中核都市なのでしょう。
 音楽の世界では、ジョージア州だから、やっぱりあの曲を思い出す。
 ここでのJBの"Atlanta"の発音がかっこいい。
 日本語で無理矢理書くと「ア ランタ」で、"t"の音がほとんど消えていて間だけがあるみたいな響きがいい。
 そしてアトランタはJBの出身地であると書き込みをいただきました、Masterさん、ありがとうございます。

 
・Chicago = シカゴ・ベアーズ
 第4週まで2勝2敗
 先週はフォーティナイナーズに勝ったのですが、今週は同地区ライヴァルのグリーンベイ・パッカーズに敗戦。
 この地区は、ミネソタ・ヴァイキングスも2勝2敗で、4チームこれから入り乱れてすごいことになりそうです。
 ベアーズはQBのカトラーが、地元では人気がいまいちらしいのですが、だいぶ成長してきたよう今年はブレイクするかもしれません。

 シカゴといえばブルーズですよね。
 そしてもちろんシカゴというバンド。
 当然といえば当然だけど、この曲は決してNFLではなく、音楽都市巡りをしているわけですね。
 シカゴといえば、ミック・ジャガーが発音すると「チッカーゴゥ」に聞こえます。
 チャカ・カーンかシャカ・カーンか、というのと同じですが「チカゴ」だと「素直になれなくて」の雰囲気が少々壊れてしまうような気がしてなりません・・・
 JBの発音は「シカゴ」に聞こえますね。
 ところで、バディ・ガイのバーは今夜も大入りかなあ。
 

・L.A.
 ロサンゼルスは、この曲が出た頃には、ロサンゼルス・ラムズとロサンゼルス・レイダースがありましたが、いずれも90年代にそれぞれセントルイスとオークランドへ移転しました。
 ただ、ロスにはNFLのチームを再びという動きもあり、ラムズなどは毎年オフになると移転の噂が出るようですが、今のところ移転はない模様。
 ただ、セントルイス市は市議会でスタジアムの補修(新築だったかもしれない不確かで申し訳ない)案を否決したそうで、その辺も噂の煙の基になったようですね。
 レイダースはサンアントニオに移転か、という話があり、これは噂ではなく実際に検討されているそうです。
 ちなみに、ロスほどの大都市、今は人口がアメリカで2番目だったかと、そこにNFLのチームがないのは、LAはヒスパニック系の移民が多く、その人たちはサッカーは好きだけどアメリカンフットボールにはあまり興味がないからという話を、移転の時に聞きました。
 
 ロスは音楽のメッカみたいな都市ですよね。
 空気が乾燥しているので楽器にもいいしスタジオも音の響きがいいのだと、確か野口五郎が何かのテレビ番組で言っていました。

 ちなみに、ラムズが移転したセントルイスも有名なSt. Louis Bluesがあるように音楽都市ですね。
 NHLのチームもまさにセントルイス・ブルーズですから。


 あれっ、フィラデルフィアが出てこない・・・
 まあ、映画の舞台だからそれは納得できます。
 曲としてみても、フィラデルフィアから全米各都市に行く、という意味にもなるので、地元は書かなくてもいい。
 もうひとつ、Philadelphiaは5音節で英語としてはかなり長く、音に乗せにくいのかもしれない、とも考えました。
 フィラデルフィアも、フィリーソウルがある、音楽都市ですね、そしてホール&オーツ。
  


 というわけでJBを通してNFLと音楽都市巡りをしてみました。

 来週は鷲の曲を上げたいです(笑)。







 ところで最後に。
 『ロッキー4』のテーマ曲Burning Heartを歌ったサヴァイヴァーのジミ・ジェイミソンが先頃亡くなられましたね。
 63歳、心臓発作で急死だったようです。

 この場を借りて、R.I.P. 

 今回は特別もう1曲、Burning Heartも。