◆補足分析に活用する分析: フィボナッチ・リトレースメント分析
フィボナッチ・リトレースメントとは、チャート上のサポート(支持)とレジスタンス(抵抗)の水準を算出するテクニカル分析の一手法です。
フィボナッチ・リトレースメントは、チャート上で2つの極値(上値と下値)を取り、その差分を主要なフィボナッチ比率で分割することで得られます。
【フィボナッチ比率】
23.6%
38.2%
50.0%(半値戻し)
61.8%
78.6%
100.0%
127.2%
138.2%
150.0%
161.8%
178.6%
200.0%
フィボナッチ数列は、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233と無限に続く数列で、この数列には次のような関係があります。
・2つの連続する数字の合計は、次の数字と一致します。
例えば、最初の1と2番目の1を足せば3番目の2となり、2番目の1と3番目の2を足せば4番目の3になるといった具合です。
・次の数字に対する比率は、最初の4つの数字以降、0.618に接近します。
例えば、1÷1=1.00、1÷2=0.5、2÷3=0.67、3÷5=0.60、5÷8=0.625、8÷13=0.615、13÷21=0.619、21÷34=0.617といったように、次第に0.618に近づいていきます。
・逆に前の数字に対する比率は、1.618に近づいていきます。
例えば、13÷8=1.625、21÷13=1.615、34÷21=1.619となります。
ひとつおきの数字の比率は、8÷21=0.3809、21÷55=0.3818、55÷144=0.3819といったように0.382に近づいていきます。
フィボナッチ・リトレースメントで表示される38.2%、50.0%、61.8%、78.6%はこれらの関係に基づいて設定されております。(78.6%は61.8%の平方根です。)
フィボナッチ数列は黄金比が元となっており、黄金比率とは、アテネのパルテノン神殿や、エジプトにあるギザの大ピラミッドに使われているといわれています。
多くのトレーダーはこれらの数値を意識して取引を行っています。
フィボナッチ・リトレースメント分析では、主にフィボナッチ比率の38.2%、50%、61.8%が節目として注視されます。
<活用方法>
相場が上昇している最中では、価格が天井から38.2%下落したところが最初の押し目の目安となり、50%下落したところが2つ目の目安、61.8%下落したところが3つ目の目安となります。相場が下落しているケースでは、底から38.2%、50%、61.8%上昇したところが戻りの目安となりますので、このポイントを狙ってエントリーをしましょう。