米国のバラク・オバマ大統領は12ページの大統領令を発出、キューバとの到達した関係を固め、次期米国政府によってキューバ接近政策が後退しないように保障にしようとした。同時に財務省、商務省は、1960年発効の経済封鎖の緩和措置を発表した。これは科学分野の協力、人道援助、相互貿易の活性化を内容にしている。

 

大統領令のなかでオバマは、キューバとの関係正常化が米国の政策であり、これによるキューバとの接近の提案は「不可逆的なもの」と決定した。

 

バラク・オバマ大統領とラウル・カストロ議長は、2014年12月、外交関係の再開に向けた声明を発表した。それは50年間にわたる敵対関係を終わらせようとするものであった。

 

政策は文書のなかで、何よりも政府間関係を改善する、相互の貿易を拡充する、またキューバがいくつもの国際的金融機関へのアクセスを推進しようというものである。

 

「われわれはキューバの体制を変えようとするものではない」、オバマは大統領令の7ページで書いた。それは人権の推進に関連する章であった。キューバ政府が地域国際的なフォーラムに参加するように求める。それはこれに限ったものではないが、米州機構(OEA)と米州サミットを含んだものである」。

 

財務省と商務省は、科学協力、人道援助、相互貿易の活性化を容易にするための、より緩和する措置を発表した。

 

最後の項目ではキューバを象徴する2つの品目が含まれている:ラム酒と葉巻である。10月14日に承認された政令が10月17日から発効すれば、キューバに旅行しアルコールとタバコを購入し米国に持ち帰るものへの制限は、他の国に適用されるものと同じとなる。

 

さらに製薬部門では、キューバは米国当局の承認を得ることができるようになる。これの意味するところは、キューバの薬品を輸入、分配、販売することが可能となる。米国人はまた、医療研究について共同で、商取引を目的とするとしないに関わらず、参加することが可能となる。

 

大統領令は大統領選挙が残り1か月を切るなかで、共和党の大統領候補ドナルド・トランプが、大統領になったならキューバとの接近を見直すと言明してから数日後におこなわれた。

 

オバマは自身の遺産を守り、トランプあるいはそのほかの誰であれ、かれの国際政策の主要な成果を、後退させることができなくするために大統領令を発出した。大統領令は行政命令で、議会通過を必要とはしない。「われわれはこの政策が逆戻りできないよう、可能なことをおこなうであろう」、政府高官の一人は語った。

 

文書はキューバ政府とのあいだで、「非常に現実的な相違」の存在を認めている。それは何よりも「民主主義と人権問題」である。しかしそれはキューバ人とともに解決されるべき道であると表明した。

 

キューバはオバマの大統領令にたいして、不満ながらも歓迎をおこなった。「これはポジティブな一歩だ。これは封鎖解除に向けた意味のある一歩であり、相互関係を改善する」、キューバ外務省米国担当の責任者ホセフィナ・ビダルは、語った。

 

しかしながら「われわれはこの文書のなかに、(キューバ国内)秩序変えようとする目的が隠されていないことを読み取ることができる」、そして「干渉プログラム継続の意図も隠されてはいない」。ビダルはオバマが社会主義政府を「合法的で対等な対話者」という「認識」を持っていることを強調しつつ、同時に貿易制裁の削減が「限られた性格」であることに疑問を提出する。

 

人権問題に関する両国代表団の2回目の対話が終了するにさいして、キューバ政府は米国と「深い相違」の存在を表明した。キューバ外務省多国間問題の副責任者であるペドロ・ルイス・ペドロソは、「米国における人種主義、男女間の賃金差別、警官による暴力、労働組合の活動の自由」について懸念を表明した。

(N01442) [La Jornada による]